新しく従業員を雇い入れるにあたって、要件を満たしていれば雇用助成金を受給することができます。雇用助成金は、幅広い人材の活用と、安定した雇用促進を目指して、企業に金銭的な援助をする制度です。高齢者、障害を持つ人なども、積極的に雇い入れることで、助成金を活用することができます。ぜひ雇用助成金の概要を知り、企業の発展のために生かしていきましょう。
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雇用助成金の種類と要件
雇用助成金は、採用する人材によって種類分けがされています。それぞれの概要と受給の要件を簡単にまとめてみました。
トライアル雇用助成金
「トライアル」の意味は、試しにやってみること。つまり「トライアル雇用」は、試しに雇ってみることで「試行雇用」ともいいます。雇用する側とされる側のミスマッチをなくし、安定した継続雇用が図ることを目的とした助成金で、原則3カ月のトライアル雇用を実施した後に給付されるものです。以前は「奨励金」という名目で給付されていましたが、助成金に変更になりました。
コースは大きく分けてふたつあります。「一般トライアルコース」と「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」で、「一般トライアルコース」は、就業経験のない若者や一定期間のブランクのある労働者のうち、安定した職業に就いている人、学生、現在トライアル雇用期間中である人、障害のある人などを除いた人が対象となります。
「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」は、障害を持った人向けのコースです。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、派遣労働者や短時間労働者など、一般に「非正規」と呼ばれる雇用形態の労働者について、企業内でのキャリアアップを促進することを目的としたものです。
正社員への転換を助成する「正社員化コース」、賃金規定などを改定する取り組みに助成される「賃金規定等改定コース」のほか、「健康診断制度コース」「賃金規定等共通化コース」「諸手当制度共通化コース」「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」「短時間労働者労働時間延長コース」という7つのコースが用意されています。
高年齢者雇用開発特別奨励金
高年齢者が、それまでの経験を生かして社会参加できるよう、雇い入れる企業に支援をするものです。
支給の条件は、65歳以上で職業に就いていない人を、ハローワークあるいは民間の職業紹介事業者を通じて雇用し、1週間の労働時間20時間以上で1年以上の継続雇用が確実であることとなっています。
既卒者採用拡大奨励金
大学などを卒業して3年以内の既卒者でも応募できる新卒者向けの求人を出し、該当する既卒者を正規雇用して6カ月が経過したときに給付されるというものです。
具体的な要件など詳細に関しては、都道府県の労働局かハローワークに問い合わせて確認することとなっています。
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金は、従業員が定着することを目指し、今ある職場をさらに働きやすく魅力的に改善する取り組みをした事業者に給付されるものです。
「雇用管理制度助成コース」「介護福祉機器助成コース」「介護・保育労働者雇用管理制度助成コース」「中小企業団体助成コース」「人事評価改善等助成コース」「設備改善等支援コース」という6つのコースが設定されています。
中小企業基盤人材確保助成金
中小企業が会社の設立にあたり、経営基盤の強化を目指して従業員を雇い入れた際に給付されるものです。
会社を設立した後での申請もできますが、6カ月以内に300万円以上の事業投資をするという要件があるので、利用を考えるなら設立前の申請を目指したほうが良いでしょう。
そのほか、都道府県知事に「改善計画」を提出して認定を受ける、部下を指導できる人材を雇うなど、給付には細かい条件が設定されています。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
平成29年までは「特定就職困難者雇用開発助成金」として運用されていたもので、高齢者や障害者など、就職が特に困難と思われる人材を雇用するときに給付される助成金です。
該当者を65歳以上になるまで2年以上継続して雇用するなど、細かい条件が設定されています。
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
上記の特定就職困難者コース同様、平成29年から名称が変更となっています。
発達障害を持つ人や難治性疾患を患っている人を、ハローワークや民間の職業紹介事業者の紹介で継続雇用する事業者に対しての助成です。
事業者は、雇い入れた人にどのような配慮をしているかを報告する義務があり、雇用から6カ月後にはハローワークの職員等による職場訪問を受けることなどの要件があります。
精神障害者雇用安定奨励金
精神障害を持つ人を雇い入れた際、厚生労働省が掲げる「専門家の活用」「専門家の養成」「社内理解の促進」「ピアサポート体制の整備」「代替要員の確保」「精神障害者のセルフケア」という6つの環境整備項目のうち、ひとつ以上に取り組むと支給されるものです。
建設業離職者雇用開発助成金
建設業以外の事業者が、建設業からの離職者を雇い入れたときに給付される助成金制度です。対象年齢は45歳から60歳未満で、短時間労働者を除くなどの条件があります。
助成金申請の流れ
助成金の種類によって違いはありますが、雇用に関する助成金は、ハローワークに求人登録をするところからスタートします。その際、申請したい助成金についても伝えておきましょう。事前にハローワークのサイトで情報を確認しておくとスムーズです。
ハローワークから紹介があった人を雇用したら所定の書類を添えて申請をし、審査を受けて問題がなければ規定の金額が支給されます。
人材の雇用や育成について考えるときは、雇用助成金を活用することも検討してみませんか? なお、助成金の対象や条件は改定されるので、利用する際は、最新の情報を確認するようにしましょう。
不明点については、FREE JOBでもお問い合わせを受けておりますし、助成金助成金申請代行サービスも行っています。どうぞお気軽にご相談ください。