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定着率改善・離職率低下のための具体的な手法を解説

定着率が低いと、優秀な人材を集められないなど、さまざまな問題が生じやすくなります。定着率の低さは、企業にとって改善するべき課題です。この記事では、定着率が低くなる主な理由と定着率を改善する方法などを紹介しています。

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なぜ離職率が高いのは良くないのか

一般的に、離職率が高い状態は改善するべきと考えられています。なぜ、このように考えられているのでしょうか。

企業評価が下がる

離職率が高い企業は、求職者から就職先の候補に挙げられにくくなります。給与が低い、人間関係が悪い、労働時間が長いなど、何かしらの働きにくい理由があるのではと考えられてしまうからです。

求職者の企業に対する評価が低くなると、優秀な人材が集まりにくくなります。それどころか、求人広告に対する反応そのものが小さくなることもあります。このような問題を引き起こすため、離職率が低い場合は改善するべきと考えられているのです。

社員のモチベーションが下がる

離職率が高い状態が続くと、業務に従事する社員のモチベーションも低下する傾向があります。従業員が次々と辞めていくと、人員の補充が追いつかなくなり残った社員の負担が増加してしまうからです。

人員が補充される場合も、残っている社員には教育などの負担がかかります。負担感が大きくなると「残って頑張っている自分がなぜ我慢しなければならないのか」などの思いが強くなりモチベーションは低下してしまいます。

採用コスト・育成コストがかかる

離職率が高くなると、採用コスト・育成コストが余計にかかります。退職した人員の補充を行わなければならないからです。

ただし、離職率が高い状態だと、新たに採用した人員もなかなか定着しません。採用と教育を何度も行わなければならないため、採用コスト・教育コストが余計にかかるのです。

離職率が高くなる主な要因

離職率はなぜ高くなってしまうのでしょうか。主な要因として以下の点が挙げられます。

給与が低い

業務内容に対して給与が低い企業は、離職率が高くなる傾向があります。働いている社員が納得感を得にくいからです。「頑張っているのに給与はこれだけ」などと感じると、社員の多くは他の選択肢を探したくなります。

ちなみに、厚生労働省が発表している「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると「給与等収入が少なかった」を離職の理由として挙げている転職入職者の割合は9.4%です。「給与等収入が少なかった」は「その他の理由(出向等を含む)」「定年・契約期間の満了」に次いで3番目に多い離職理由です。

【参考】厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概要‐4.転職入職者の状況」

人間関係のトラブル

人間関係のトラブルが多い企業も、離職率は高くなる傾向があります。人間関係が悪いと、仕事に必要な最低限のコミュニケーションを取ることすら苦痛になってしまうからです。

例えば、上司が威圧的だと、多くの部下は報告・連絡・相談すら難しくなってしまいます。同僚と関係が悪いと、必要な協力をお願いすることも簡単にはできません。毎日、このような苦痛が続くため、離職率が高くなってしまうのでしょう。

「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると「職場の人間関係が好ましくなかった」を離職の理由として挙げている転職入職者の割合は8.8%です。「給料等収入が少なかった」に次いで4番目に多い離職理由です。

労働時間が長い

長時間労働が常態化している企業も離職率は高くなる傾向があります。1日の大半を仕事に使うことになるため、育児や家事、趣味、地域活動などの時間を取りにくくなるうえ、健康にも悪影響が及ぶからです。

サービス残業が常態化している場合は、企業に対する信頼も揺らぎます。したがって、離職率は高くなります。

「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」を離職の理由として挙げている転職入職者の割合は8.3%です。「職場の人間関係が好ましくなかった」に次いで5番目に多い離職理由です。

教育体制が整っていない

教育体制が整備されていない企業も、離職率は高くなる恐れがあります。採用した人材が、仕事に必要な能力を身に着けられず職場に適応できないケースが多いからです。自信を失い離職してしまうことが少なくありません。

入職者に対するフォロー体制が整っていない企業も同様です。採用した人材が次々と辞めていく場合は、教育体制やフォロー体制の見直しが必要かもしれません。

評価が適切でない

正当な評価を行えない企業も、離職率は高くなる傾向があります。頑張っても評価を受けられないため、やる気を失う社員が多くなるからです。

例えば、管理職が気に入った部下だけを評価していると、結果を残しても評価されない社員はやる気を失って離職してしまいます。

定着率を改善する方法

定着率が低い状態は、できるだけ早く改善しなければなりません。どのように改善すればよいのでしょうか。

労働条件の見直し


最初に取り組みたいのが、現在の労働条件を社員がどのように捉えているか把握することです。不満を感じている従業員が多い場合は、見直しを行わなければなりません。

見直しの対象は多岐にわたります。例えば、給与は業務内容や成果に見合うものにする必要があります。同業他社との比較も欠かせません。

労働時間は、残業時間だけでなく休日出勤も見直しの対象です。データ上は残業・休日出勤が少なくても、サービス残業などを行っているケースもあります。実態を把握してから改善していくことが重要です。

以上のほかでは、フレックス制やテレワークの導入で、働きやすさを改善することでも離職率を下げられる可能性があります。社員が働きやすい、入社して良かったと感じられる労働条件を設定しましょう。

福利厚生の利用を推奨する社風の創出


管理職も含めて全従業員が一体となり福利厚生を利用しやすい社風を作ることでも、離職率を下げられる可能性があります。「働きやすい」「この会社に入社して良かった」と感じる従業員が増えるからです。

例えば、年次有給休暇の取得率向上などが考えられます。取得率が向上しない場合は、年次有給休暇の計画的付与制度を活用しても良いでしょう。労使協定を結べば、年次有給休暇のうち5日を超える分を企業が計画的に振り分けられるようになります。厚生労働省の発表によると、同制度を導入した企業の平均取得率は8.6%も高いそうです(平成20年)。

あるいは、リフレッシュ休暇、記念日休暇など、自社の社風を反映した特別休暇を導入しても良いでしょう。

【参考】厚生労働省「年次有給休暇の計画的付与制度」

人事部・管理職の育成

働きやすい環境、働きがいのある環境は、人事部や管理職が主導して作ることになります。従業員に与える影響が非常に大きいからです。

例えば、管理職が威圧的だと報・連・相をスムーズに行えないばかりか有給休暇を取得したくても申請しにくくなります。したがって、離職率の低下には、人事部や上司の育成が欠かせません。

具体的には、現状を適切に把握して必要な対策を講じられる人事部の育成、適切なマネジメントスキルを備えた管理職の育成が必要になります。

評価制度の見直し

評価制度の見直しによっても、離職率を下げられる可能性があります。ポイントは、努力が正当に評価されると感じられる評価制度を構築することです。納得感のある評価制度は、社員のやりがいを向上させます。誰にとってもわかりやすく、努力が給与に反映される評価制度を構築しましょう。

定着率の改善は企業にとって欠かせない取り組み

定着率が低いと、優秀な人材を集められない、社員のモチベーションが低下するなどの問題が起こりやすくなります。定着率が低い状態は改善するべきといえるでしょう。

定着率の低さは、給与が低い、人間関係が悪い、労働時間が長いなどにより引き起こされます。したがって、労働条件や評価制度の見直し、社風の改善などが有効な対策になる可能性があります。

定着率にお悩みの方は、現在の状況を分析したうえで必要な対策を講じてみてはいかがでしょうか。