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ビジネスを飛躍させるウェルビーイングとは?参考になる企業事例5選

転職市場の活性化で優秀な人材の確保や従業員一人ひとりの労働生産性に対して課題を抱える企業は少なくありません。このような状況下で有効な人事施策が、ウェルビーイングです。

そこで今回は、ウェルビーイングの概要や得られる効果、参考にした企業の導入事例を紹介します。

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ウェルビーイングとは


ウェルビーイングは、英語で「well-being」と表記されるビジネス用語です。ウェルビーイングを直訳すると幸福や健康といった意味があり、心身ともに満たされた状態を指します。

1946年に世界保健機関が設立された際に考案された考え方で、当初は社会福祉の分野で普及しました。ただ、近年ではビジネスの場面で用いられるようになり、多くの企業から注目を集めています。

しかし、世界で見ると日本のウェルビーイングは低い傾向にあるのが現状です。その理由は、同調圧力に従うことが美徳とされる日本の国民性が考えられます。

例えば、「上司に反論できない」「自分だけ先に帰宅しづらい」など、職場でも自分の意見や考え方は隠して周囲に合わせてしまう従業員も少なくありません。このような職場環境が日本のウェルビーイングを低下させる要因だといわれています。

ウェルビーイングを構成する5つの要素


ウェルビーイングを細分化すると、5つの要素で構成されるといわれています。ウェルビーイングを構成する要素は、以下のとおりです。

  • キャリア ウェルビーイング
  • フィナンシャル ウェルビーイング
  • ソーシャル ウェルビーイング
  • フィジカル ウェルビーイング
  • コミュニティ ウェルビーイング

ウェルビーイングを向上したいなら、5つの要素について理解を深めることが大切です。ビジネスの側面と併せて、それぞれの特徴を確認しましょう。

1.キャリア ウェルビーイング

キャリア ウェルビーイングは、自分の人生で多くの時間を費やすことへの満足感のことです。これは仕事におけるキャリアとは限らず、家事や子育て、勉強、趣味、ボランティアなども含まれます。

キャリア ウェルビーイングは、1日の過ごし方に対してどのくらいの満足を得ているのかを示すものです。ビジネスで考えるとワークライフバランスを指します。仕事と私生活のバランスが取れる環境を整えれば、従業員のキャリア ウェルビーイングを向上できます。

2.フィナンシャル ウェルビーイング

お金に対する幸福度を示すのが、フィナンシャル ウェルビーイングです。月にどのくらいの収入を得られるかは、仕事はもちろん生活や人間関係など各要素に影響を与えます。

例えば、収入が高ければ心に余裕が持てますが、経済的な不安を感じる場合は仕事や私生活に悪い影響をもたらすこともあるでしょう。ある調査によると、ストレスを感じる従業員の約40%はお金に不安を感じて睡眠不足に陥っていることが明らかになっています。

それくらいお金の問題は人間の精神的な部分に影響を及ぼしているのです。フィナンシャル ウェルビーイングを向上させるには、各従業員の給与を見直したり昇給に繋がるキャリアサポートをしたりなど、お金の不安を取り除くための施策を行うことが必要でしょう。

3.ソーシャル ウェルビーイング

人間関係の幸福度を示すのが、ソーシャル ウェルビーイングです。ソーシャル ウェルビーイングは、単に交友関係が広いだけで向上するものではありません。

強い信頼関係を築いた上で愛情のつながりのある人間関係であるかどうかが重要な指標になるといわれています。ビジネスの側面で見ると、上司や部下、同僚、取引先などの人間関係がソーシャル ウェルビーイングに大きく影響します。

ただ、日本は空気を読むことが美徳とされる風潮があり、職場では上司からのコミュニケーションが一方的なものになることも少なくありません。職場でうまく人間関係を築けずにストレスを感じる従業員もいます。ソーシャル ウェルビーイングを向上させるには、職場の人間関係をいかに活発化させるかが重要になるでしょう。

4.フィジカル ウェルビーイング

日々の活動に対してポジティブな感情を持てるかどうかを基準とした身体的な幸福度を示すのが、フィジカル ウェルビーイングです。また、フィジカル ウェルビーイングでは身体だけでなく、心の状態も健康であるかどうかも重要な判断基準となります。

ビジネスは、すべての従業員の働きがあってこそ回るものです。従業員の健康なくしては企業は成り立たないため、従業員一人ひとりの健康を維持することが求められます。

また身体的な健康に加え、従業員の精神的な側面も企業がきちんとケアすることが大切です。精神的な健康は仕事に対する意欲も向上できるため、職場では長時間労働や職場環境の改善など従業員の働きやすさを意識した施策が求められます。

5.コミュニティ ウェルビーイング

自分が属するコミュニティに対する幸福度を示すのが、コミュニティ ウェルビーイングです。例えば、家族や親戚をはじめ友達や学校、職場、子供関連の繋がりなどがあります。コミュニティ ウェルビーイングは、いわゆる地域社会における幸福度のことです。ビジネスの側面で見ると、会社や職場が該当するでしょう。

自分が属するコミュニティに対してストレスを感じながら働く従業員は、コミュニティ ウェルビーイングが低いです。会社であれば転職して環境を変えられますが、職場や取引先との人間関係は従業員個人の力では解決策がない場合もあります。コミュニティ ウェルビーイングの向上には、職場環境の改善が必要です。

ウェルビーイングが注目される5つの理由


多くの企業で取り組みが推奨されるウェルビーイングの概念ですが、注目される背景にはさまざまな理由があります。主な理由は、以下のとおりです。

  • 政府が打ち出した働き方改革の推進
  • 社員における価値観や背景の多様化
  • 転職市場の活性化
  • 少子高齢化に伴う課題の解決
  • SDGsにある項目の達成

ウェルビーイングが注目されるのはどのような理由があるのか、それぞれの項目を確認しましょう。

1.政府が打ち出した働き方改革の推進

2019年に厚生労働省から発表された働き方改革により、従来に比べて多様な働き方を選択できるようになりました。この働き方改革の推進に伴い、同一労働賃金による非正規雇用の処遇改善、家事や介護の両立、在宅ワークやテレワークに取り組む企業も増えています。

今や労働時間を短くしたり福利厚生を拡充したりするだけで、従業員のウェルビーイングを解決するのは困難だといわれています。いかに従業員一人ひとりが仕事を楽しみながら働ける労働環境を整えられるかが重要なポイントとなるでしょう。

2.社員における価値観や背景の多様化

日本ではグローバル化が進んでおり、外国人を受け入れる企業も多くあります。特に近年は、少子高齢化が加速しているため今後も外国人を採用する企業は増えることでしょう。日本人と外国人では国民性や価値観、考え方は大きく異なります。

ただ、同じ職場で働く場合は、異なる背景や価値観を持つ人材とコミュニケーションをとりながら業務を遂行しなければいけません。従業員一人ひとりの背景や価値観が多様化するなか、ストレスを抱え込まないように多様性を認め合える職場環境の整備に加え、ウェルビーイングへの取り組みが必要だと考えられています。

3.転職市場の活性化

従来は年功序列や終身雇用が基本でしたが、今は企業に就職したからといって一生同じ企業で働けるか分からない時代です。その結果、転職市場が活性化しており人材の流動が進んでいます。また転職市場は求職者有利な状況であり、求職者から選ばれる企業と選ばれない企業の二極化が進んでいるのが現状です。

人材獲得や採用率の向上を図りたいなら、求職者や既存従業員から選ばれる企業にならなければいけません。そこで重要になってくるのが、ウェルビーイングの考え方です。従業員の幸福度を高めることで人材の定着率や人材の採用率の向上が図れます。

4.少子高齢化に伴う課題の解決

日本は、少子高齢化に伴う労働人口の低下が大きな課題となっています。労働人口とは、労働の意思と労働可能な能力を持つ15歳以上の人です。厚生労働省の発表によると、2036年には高齢者は3人に1人の割合になることが明らかになっています。

多くの企業は、いかに優秀な労働人口の人材を取り込めるかが大きな課題です。労働人口における人材を確保するには、仕事と育児を両立する人や介護と仕事を両立する人、病気治療と仕事を両立する人などへのアプローチも欠かせません。このような場面で役立つのが、心身ともに健康な状態で働き続けられるウェルビーイングの考え方です。

5.SDGsにある項目の達成

2015年9月の国連サミット採択されたSDGsは、Sustainable Development Goalsの略称で持続可能な開発目標のことです。2030年までに持続可能でより良い世界を目指すために、国際目標としてSDGsが掲げられています。

SDGsで掲げられた目標は全部で17項目あり、そのうちのひとつに「すべての人に健康と福祉を」といった項目が設けられました。SDGsの目標を達成するべく、多くの企業ではウェルビーイングへの取り組みが活発化しています。

ウェルビーイングで得られる4つの効果


働き方改革や少子高齢化による課題解決、社会の多様化などを理由にウェルビーイングに注力する企業も少なくありません。ウェルビーイングへの取り組みを強化すれば、企業が抱える課題を解決できることに加え多くの効果を得られます。ウェルビーイングで得られる効果は、以下のとおりです。

  • 社員の労働生産性を高められる
  • 社員の仕事への意欲を高められる
  • 企業のイメージ向上を狙える
  • 顧客満足度の向上に繋げられる

それぞれの項目を確認していきましょう。

1.社員の労働生産性を高められる

ウェルビーイングに取り組むことで、従業員の労働生産性を高められます。心身が健康である状態と不健康な従業員では、仕事のパフォーマンスに差が出るのは当然のことです。

ウェルビーイングを強化し心身の健康を向上できれば仕事に対する意欲が高まり、従業員一人ひとりまたは企業全体の生産性の向上にも繋げられます。生産性が向上すれば、最低限の人材で業務を遂行できるため人的コストを削減できるのもメリットでしょう。

2.社員の仕事への意欲を高められる

ウェルビーイングの取り組みを強化すれば、従業員が働きやすい環境を作れます。従業員が抱える問題は人によってさまざまですが、その問題を解決できる対策を取れば、転職を考える従業員も少なくなるはずです。

例えば、時短勤務やフレックスタイム、在宅ワークを導入すれば、従業員の状況に応じた働き方を選択できます。このような取り組みにより、従業員にかかる精神的、身体的なストレスが軽減されるため仕事への意欲を高められます。

3.企業のイメージ向上を狙える

従業員一人ひとりの幸福度が高まれば、今の職場環境への満足度も高くなるため離職率を下げる効果が期待できます。また、定着率が高い企業に対して良い印象を抱く求職者は多いため、新たに優秀な人材を確保できる可能性も高まるはずです。

ウェルビーイングの取り組みで社外的なイメージも向上して採用活動にも好影響をもたらします。特に近年は少子高齢化や転職市場の活発化により、人材採用に苦戦する企業も少なくありません。企業にとってマイナスが多い状況下で、求職者にとって「選ばれる企業」になることができるのです。

4.顧客満足度の向上に繋げられる

ウェルビーイングが高まると従業員の企業に対する満足度が向上します。従業員のロイヤルティが高まり企業が掲げる目的意識を持って働けるため、どの顧客に対しても質の高い対応ができるのです。

従業員同士の連携もスムーズになり、顧客に対してスピード感のある対応を行えます。その結果顧客満足度の向上が期待でき、ひいては企業の利益にも繋げられるのです。企業成長においてウェルビーイングへの取り組みは欠かせないものとなっています。

ウェルビーイングを高める3つの施策

従業員のウェルビーイングを高めることで、企業に多くのメリットをもたらしてくれます。ただ、どのように従業員のウェルビーイングを高めればいいのか施策が分からない企業も多いでしょう。効果的な施策は、次のようなものがあります。

  • 社員への評価方法を見直す
  • コミュニケーションの活性化を図る
  • 労働環境や福利厚生を改善する

それぞれの項目を確認しましょう。

1.社員への評価方法を見直す

従業員の評価方法を改善することで、ウェルビーイング向上に繋げられます。なぜなら、仕事に取り組む姿勢や成果が正当に評価されない企業に対して良い印象を抱く従業員はいません。

場合によっては企業に対するロイヤルティが無くなり、仕事の意欲を低下させる要因になることもあります。人材流出のリスクもあるため、従業員の姿勢や成果に対して正しく評価できているかどうか見直す必要があるでしょう。

2.コミュニケーションの活性化を図る

既存従業員が抱える悩みで多いのが、職場の人間関係です。職場における人間関係の悩みを理由に転職を検討する従業員も少なくありません。このように人間関係の悪化を改善するには職場のコミュニケーションの活性化を図ることがおすすめです。

良好な人間関係はウェルビーイングを高めるうえで欠かせない要素です。例えば、1on1ミーティングを行ったりチーム内で気軽に情報共有を行えるツールを導入したり、良好な人間関係を築くためにコミュニケーションの活性化を図りましょう。

3.労働環境や福利厚生を改善する

従業員一人ひとりが最大限の能力を発揮するには、心身ともに健康でなければいけません。企業は、従業員がストレスなく業務に集中できる環境を整えることはもちろん、プライベートとのバランスが取れた働き方を提供する必要があります。

例えば、従業員の事情に応じた働き方を提案したり残業管理を徹底したり、施策が必要でしょう。また福利厚生を充実させて従業員のやる気を高めれば、ウェルビーイングの向上に繋げられます。

ウェルビーイングを実践した企業事例3選


ここからは、実際にウェルビーイングを向上させるために企業が実践した事例をご紹介します。今回ご紹介する企業事例は、以下のとおりです。

  • 株式会社デンソー
  • 楽天グループ株式会社
  • 味の素株式会社

企業によってさまざまなウェルビーイングが実施されています。ウェルビーイングを実践した企業事例を参考に、自社でどのような施策が行えるのか検討しましょう。

1.株式会社デンソー

愛知県に拠点を置き自動車部品を提供しているのが、株式会社デンソーです。株式会社デンソーでは、2016年から定期検診をもとに従業員の健康状態の見える化を進めてきました。

各部署に健康リーダーを配置し、メンバー同士がお互いの体調の変化に気づける環境を作ったのです。この施策により各部署のコミュニケーションが円滑になり、従業員が働きやすい環境を構築できました。

2.楽天グループ株式会社

モバイルに加えEコマースや銀行など幅広く事業を展開する楽天グループ株式会社は、ウェルビーイングの向上を目指して新たなガイドラインを社内で策定しました。

具体的な内容としては、在宅勤務の設備支援や多様な仲間との雑談の推奨、ラジオ体操や瞑想の実施などがあります。また「集団的な」という意味を加えたコレクティブウェルビーイングの概念を取り入れ、仲間・時間・空間を大切にした施策を実施しているのも大きな特徴です。

3.味の素株式会社

調味料や冷凍食品など多種多様な食品を提供する味の素株式会社は、従業員一人ひとりのセルフケアを徹底しており働き方改善や健康経営に注力してきた企業です。

例えば、健康診断のデータを蓄積するポータルサイトを設置したりAIが栄養を指導を行う健康管理アプリを運営したりなどがあります。心身ともに健康を維持できるような施策を行い、ウェルビーイングの向上を実現した企業です。

ウェルビーイングを取り入れて社員の健康を維持しよう!


少子高齢化や転職の活性化、労働生産性の低下など多くの課題を抱える企業は少なくありません。このような課題に加え、政府が推奨する働き方改革や2030年までに達成が求められるSDGsなど、企業全体で取り組まなければいけない課題もあります。

これらの課題を解決するために、ウェルビーイングのへの取り組みを前向きに検討する企業が増えています。これから企業を拡大させるためには、ウェルビーイングという考え方が必要不可欠です。ウェルビーイングを取り入れて社員の健康を維持し、企業成長へと繋げましょう。

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