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中小企業が抱える人材採用の課題とは?解決する具体的な方法をご紹介

転職市場が活発化しており、人材採用の競争が激しくなっています。しかし、人材の採用において求職者が集まらなかったり、内定の辞退者が多かったりなどさまざまな課題を抱える企業も多いでしょう。そこで今回は、中小企業が抱える人材採用の課題を解決する方法をご紹介します。

中小企業における人材採用の現状

近年は少子高齢化が進んでおり、今後はさらに労働人口が減少することが予測されます。このような状況下で、多くの企業では優秀な人材をどのように確保するかが重要な課題となっています。

また、大企業よりも中小企業のほうが人材採用に苦戦しているのが現状です。2020年に実施されたリクルートワークス研究所の調査によると、大手企業の求人倍率は約1倍を維持していますが、300人未満の社員がいる中小企業の求人倍率は2010年から常に3倍以上で高い数値が続いています。

【参考】第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)

中小企業における人事採用の5つの課題

リクルートワークス研究所が調べた求人倍率でも分かるとおり、大手企業よりも中小企業のほうが人材採用に多くの課題を抱えています。具体的な課題は、以下のとおりです。

  • 自社に適した人材を選べていない
  • 求職者の応募が集まらない
  • 応募数が多く対応しきれない
  • 内定の辞退者が多く発生する
  • 定着率が低く退職してしまう

人材採用の課題を解決するには改善すべき段階を把握して、それに応じた対策を講じることが求められます。自社に該当する項目がないか確認してみましょう。

1.自社に適した人材を選べていない

求人募集に多くの応募があった場合、その中から自社の社風や考え方に適した人材を選定する必要があります。しかし、人事担当者に人材を見極める力が十分に備わっていない場合は、自社に合わない人材を採用してしまうことも少なくありません。

会社の社風や考え方に疑問を抱いたまま入社すると、仕事の生産性が低下するだけでなく、早期退職に繋がるケースもあります。このような最悪の事態を避けるためにも、選考段階や面接段階で企業と応募者の間にミスマッチが起きていないか確認することが大切です。

2.求職者の応募が集まらない

求人募集を出しているにもかかわらず、応募者が少ないといった課題を抱える企業もあります。募集が少ないと選択肢も狭まるため、自社にあう人材を確保できないケースも少なくありません。求人募集に応募が来ないのは、さまざまな原因があります。

例えば、ターゲット選定が正しく行えていないことが考えられます。特に即戦力の人材を採用したい場合、実務経験や資格などに高い条件を設定してしまいがちです。求職者は、自分には勤まらないと感じ応募を躊躇してしまいます。求人票の書き方に工夫が必要でしょう。

3.応募数が多く対応しきれない

求人の応募が来ないことに頭を抱えている中小企業がいる一方、応募が多すぎて対応しきれず他の業務に影響が出るといった課題を抱える企業も少なくありません。応募が多く集まるのは、応募のハードルが低かったり他と比べて給料が高かったりすることが考えられます。

応募者数が多いと選択肢が増えますが、人材選定や応募者とのやり取りに手間がかかってしまいます。自社にあう人材を採用したいなら、求人段階でどのような人材を探しているのか明確に記載することが必要です。応募者数は減少するかもしれませんが、自社が希望する条件に一致する人材の応募が期待できます。

4.内定の辞退者が多く発生する

採用活動を実施して内定者を決めたにもかかわらず、途中で辞退されて人材採用が進まないといった課題を抱える企業も多くあります。この場合、人材が確保できないだけでなく、今までの採用活動にかけた時間と労力が無駄になってしまいます。

内定辞退する理由は、他社での転職が先に決定したり面談で入社条件の不一致を感じたり、転職することが不安になったり、人によってさまざまです。内定の辞退者が多い企業は、すぐに課題を解決しないと同じ問題が起こる可能性があります。

5.定着率が低く退職してしまう

職場の雰囲気や仕事の進め方など、実際に働いてみないと分からないことも多いです。多くの時間や費用をかけて求人活動しているにもかかわらず、採用した社員の定着率の低さに頭を抱える中小企業も少なくありません。

採用した社員の定着率が低いのは、面接で良いことばかり伝えてしまった結果、入社後にギャップを感じて早期退職に繋がったことが考えられます。また、入社後の研修制度が整っていないことも定着率を下げる要因になることがあります。採用した社員が早期退職しないための工夫が必要でしょう。

中小企業の採用課題を解決する8つの方法


中小企業が抱える採用課題を解決する方法には、次のようなものがあります。

  • 企業が求める人物像を明確にする
  • 過去の採用データを分析する
  • ほかの採用方法を導入する
  • 自社のSNSを積極的に活用する
  • 会社の理念や社風を理解してもらう
  • 入社前と入社後のフォローを怠らない
  • 求人票で他社との差別化を図る
  • 働き方の多様化を理解する

中小企業が抱える課題を解決しないと、人材採用は思うように進みません。自社の採用課題に応じて適した解決方法を試してみましょう。

1.企業が求める人物像を明確にする

人材採用が思うように進まないなら、まずは採用したい人物像を明確にしましょう。求める人物像が曖昧な状態では、応募してほしいターゲット層に響く魅力的な求人票を記載することはできません。

また、採用後に配属予定先にどのような人材を希望するのか確認しておくことも大切です。この時点で配属先と人事担当者の間で認識の差があると、適した人材は選べません。例えば、保有するスキルや経験、就業条件など細かく確認して人物像を明確にしましょう。求める人物像が明確になったら、選考時に迷う必要もなく配属先が求める人材を採用できます。

2.過去の採用データを分析する

中途社員を採用したい場合、過去の採用データをもとに分析してみましょう。特に中途採用は人材が必要なときに何度も実施されるもので、過去のデータが残っている企業も多いでしょう。募集や人材選定、面談など採用までの工程を細分化して分析すれば、どの過程で課題が発生しているのか理解できます。

もし成功パターンがあったなら、それを今回の人材採用で活かすのもいいでしょう。過去の人材採用で蓄積されたデータを保存しているだけでは、何の役にも立ちません。採用の成功率を上げられる可能性があるため積極的に利用しましょう。

3.ほかの採用方法を導入する

人材を採用するには、多額の費用がかかります。大企業であれば問題ないかもしれませんが、中小企業の場合は人材採用に予算をかけられないことも多いです。できる限り早く新しい人材を見つけて採用活動を終わらせたい企業も少なくありません。

このような場合は、効果が期待できない既存の採用活動と並行してほかの採用活動も検討してみるのがいいでしょう。例えば、リファラル採用やダイレクトリクルーティングなどがあります。リファラル採用は、既存社員に人材を紹介してもらう採用方法です。採用コストを大幅に削減できることに加え、マッチングの精度が高くなる利点があります。

しかし、リファラル採用は既存社員に人材を紹介してもらうため、採用した場合は配属先に配慮しなければいけません。また、万が一不採用だった場合は、友達間で気まずさが残る可能性もあります。自社でリファラル採用を検討する場合は、採用の進め方や配属先の選定には十分に注意しましょう。

ダイレクトリクルーティングは、企業が直接的に求職者にアプローチする方法のことです。リファラル採用と同じく、コストを抑えられるメリットがあります。また、将来的に転職を考える層にもアプローチできるため、タイミングが合えば自社の求人に応募してくれる可能性があります。

リファラル採用やダイレクトリクルーティングは既存の求人活動と大きく異なるため、初めのうちは戸惑うこともあるかもしれません。しかし、SNSが普及する昨今では、企業が直接求職者にアプローチができる機会が増えています。採用活動で良い結果が出なかったり採用コストを抑えたかったりする場合に検討しましょう。

4.自社のSNSを積極的に活用する

近年は、SNSを保有して情報発信する中小企業も多くいます。限られた予算内でより多くの応募者を集めたいなら、低コストで採用活動を行えるSNSも積極的に活用しましょう。SNSは若年層の利用者が多いため、若い人材を求める企業には適した採用方法です。

また、SNSは情報の拡散性も高いため、ひとつの投稿で今まで届きづらかった層までアプローチできる可能性があります。ただし、SNSで求人活動を行う場合、コンテンツ作成や投稿の工数がかかるため社員に負担がかかる可能性があります。

SNSは多くの人が投稿しているため、一度投稿しただけでは情報が埋もれてしまうことも少なくありません。また、大量にある投稿からターゲット層を惹きつける施策も必要でしょう。こういった点を考慮したうえでSNAによる採用活動を検討する必要があります。

5.会社の理念や社風を理解してもらう

採用した社員と企業でミスマッチが起こると、早期退職に繫がることがあります。早期退職に至る理由はさまざまですが、会社の理念や社風が自分に合わないと感じて退職する人もいます。一度下がってしまったモチベーションをもとに戻すのは困難でしょう。

入社後の早期離職を防ぐには、面談段階で会社の理念や社風を伝えておきましょう。人事担当者は人材の採用を目的に採用活動を行っているため、自社の魅力ばかり伝えてしまう人も少なくありません。しかし、実態を隠したまま採用してしまうと、入社後にミスマッチを起こす原因になるでしょう。

会社の理念や社風を理解してもらうことはもちろんのこと、良い面ばかりではなく考慮すべき部分もしっかり伝えるようにしましょう。それでも入社したい意欲がある求職者なら、入社後に活躍してくれる可能性は高いです。

6.入社前と入社後のフォローを怠らない

人材活動は採用が完了したら、業務が終わるわけではありません。特に入社直後は分からないことも多く、不安を感じながら業務を行う社員もいます。入社したばかりで相談できる相手もおらず、ひとりで悶々と悩んでいることも多いです。この状態を放置すると早期退職に繫がるおそれもあります。

定期的に声をかけるなどして職場に馴染めているか確認することが大切です。直接聞くことが難しいなら、直々の上司に様子を聞いてみる方法もあります。早期退職者を軽減するには、入社後も気を緩めずサポートすることが重要です。また入社前は、内定を辞退されないように小まめにコミュニケーションをとりましょう。

小まめに連絡をくれる会社だと印象付けられるため、内定辞退を防げる可能性もあります。近年は求職者有利で企業間で人材を取り合っている状態のため、いくつかの企業を同時に応募して反応を見る応募者も多いです。応募した複数ある企業の中から選んでもらうために、細やかなフォローを心がけましょう。

7.求人票で他社との差別化を図る

求人票の内容や書き方次第で、求職者の興味を惹きつけられる可能性があります。まずは、求人票に記載する採用条件を明確に記載しましょう。例えば、女性の人材採用が目的なら、育児やキャリアアップの支援についてアピールすることが大切です。

結婚や出産を得たあとに自分がどのように働けるのか、どういった支援を受け入れられるのかについて不安に感じている女性も少なくありません。求人票には、女性が抱える不安を取り除けるようなアピールポイントを記載しましょう。他者との差別化ができれば、より女性からの応募率を高められます。

8.働き方の多様化を理解する

近年は、在宅ワークやネットワークなど働き方が多様化しています。また、正社員や契約社員でも副業を許可する企業も増えているため、複数の仕事を掛け持ちする社員も少なくありません。自社で新しい働き方を導入しているなら、アピールポイントとして求人票に記載するのがいいでしょう。自由な働き方を求める求職者の興味を惹けます。

一方、多様な働き方を認める制度がない場合は自由に働ける職場環境の改善を会社に打診するのもいいでしょう。時代に応じて求人活動を行うことで採用率の向上も期待できます。

人材採用に加え、定着率の対策も必須


日本では人材の流動化が進んでおり、入社3年目で早期退職する社員も少なくありません。特に大企業よりも中小企業の離職率は高いといわれています。このような状況を踏まえ、人材採用に加えていかに社員の定着率を上げるかも考える必要があります。

ここでは、中小企業の離職率が高い原因や社員が退職を決める理由、離職を防ぐ施策を解説します。

中小企業の離職率は高い

2018年に実施された厚生労働省の調査によると、大手企業よりも中小企業の離職率は高い傾向にあることが分かっています。退職を決める理由はさまざまですが、せっかく採用しても人材が定着しない企業は運営自体が不安定になる可能性が高いです。

既存社員の離職が続けば即戦力として活躍する社員が減るため、業務効率が下がるだけでなく、利益も落ち込む可能性があります。新しく人材を採用することも重要ですが、並行して離職率の改善にも注力することが必要です。

【参考】人手不足の現状把握について

社員が離職を決める主な理由

社員が退職を決める主な理由には、次のようなものがあります。

  • 職場で良好な関係を築けない
  • 任せられる業務量が多い
  • 自分の意見がまったく通らない
  • 正当に評価されず給料が上がらない
  • 仕事にやりがいを感じられない

退職理由で多いのは、職場の人間関係です。上司や先輩とうまくコミュニケーションがとれず、毎日職場に行くのがつらいと感じる社員が多いようです。なかには、上司からセクハラやパワハラのような態度をとられて退職を決断する人もいます。

また、労働時間や業務量に関して不満を持つ社員も多いです。近年はワークライフバランスといった言葉があるように、仕事だけでなくプライベートな時間も重視したい若者が増えています。しかし、職場では多くの業務を任せられるため、「こんな働き方を続けたくない」といった理由で退職を考える社員も少なくありません。

さらに仕事で自分の意見が通らず、会社に失望を感じて退職する社員もいるようです。仕事に対して意欲的な社員は積極的に自分の意見や提案を出すものの、「まだ経験が浅いから」「若手だから」といった理由で受け入れてもらえないこともあります。

自分の意見や提案をまったく受け入れてもらえないため、仕事へのモチベーションが低下してしまい、他の会社に転職しようと考え始める社員も多いようです。女性社員や若手社員が輝ける職場環境の改善が必要かもしれません。

社員の離職を防ぐ具体的な施策

既存社員の退職を防ぐ具体的な施策には、次のようなものがあります。

  • コミュニケーションの機会を増やす
  • 労働時間や業務量の適正に管理する
  • 社員が相談しやすい環境を整える
  • ワークライフバランスを改善する

退職理由で多い職場の人間関係の悩みを解決するなら、コミュニケーションの活性化を図りましょう。職場で良好な人間関係を築ければ、既存社員の離職を防ぐ要因になることもあります。また、職場では誰かに相談できる環境を整えることが大切です。

相談できる環境があれば、自分の悩みを解消できて仕事に意欲が湧くかもしれません。先輩社員が新入社員や若手社員の精神面をサポートするメンター制度を導入すれば、後輩社員の異変に気付きやすくなり問題を解決しやすくなるでしょう。

さらに、若手社員の離職を回避したいならワークライフバランスの改善も重要です。残業が毎日続いていないか、過度な業務量を抱えていないかなど、労働時間や業務量の適正を管理ことが求められます。

採用課題を改善して優秀な人材を獲得をしよう!


日本は少子高齢化が進み労働人口が減少しているため、人材採用に課題を抱える企業は多いです。また近年は転職市場が活性化しており、競合他社との人材採用が激化しています。

人材の採用率を上げるには、採用した人物像を明確にしたり他の採用方法を検討したりなどさまざまな改善策があります。人材採用の課題を改善して、優秀な社員を獲得しましょう。