アルバイトの正社員登用制度は、優秀な人材を採用する手法として近年注目されています。この記事では正社員登用のメリット・デメリットや具体的な実施方法について詳しく解説します。
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正社員登用制度がある企業はおよそ8割
正社員登用制度は、アルバイトやパート、派遣社員などの非正規雇用社員を、正社員雇用とする制度です。
厚生労働省が発表している「労働経済動向調査(令和3年2月)の概況」によると、有効回答が得られた2,941企業のうち、正社員登用制度を採用しているのは全体の77%にのぼります。また、正社員登用制度を採用している企業の60%が今後も登用していきたいと回答していることからも、正社員採用の有効な手段として認識されていることがわかります。
一方で、正社員登用制度を採用しているものの採用実績のない企業は全体の52%と、有効に活用できている企業がそれほど多くない実態も見えてきます。
採用実績のない理由で最多は「非正規雇用者側からの応募がなかった」ことです。働き方が多様化した現代にあっては、正社員登用を望まない形も多くあることが伺える一方で、採用のハードルの高さや、職場環境が要因となっているケースも否定できません。
参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和3年2月)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2102/dl/8roudoukeizaidouko.pdf
アルバイトを正社員登用するメリット
次に、アルバイトを正社員登用するメリットについて見ていきましょう。
優秀な人材を確保できる
優秀な人材を確保できることは、正社員登用の大きなメリットといえるでしょう。
通常の採用方法と異なり、実際に現場で業務に携わり、能力の適正も見極められています。当然のことながら、正社員登用後にも即戦力としての働きが期待できるため、優秀な人材確保が可能です。
入社後のミスマッチを防げる
社員の退職理由で多くあげられる、入社後のミスマッチが防げることもメリットです。
アルバイトからの正社員登用の場合、職場での業務経験を積んでおり仕事に対してのミスマッチが少ない状態です。また、職場環境についても十分把握しているでしょう。
「思っていた業務と違っていた」「職場風土が合わない」といったミスマッチが退職理由として多くあげられるため、これらを避けられるアルバイトの正社員登用は有効な手段と言えます。
離職率を抑えることができる
ミスマッチの防止も要因の一つですが、全体的な離職率が抑えられることもメリットと言えるでしょう。
アルバイトからの正社員登用の場合、業務の内容を理解した状態で採用されます。さらに、アルバイト側の視点で見れば業務を把握したうえで「正社員として頑張っていきたい」というモチベーションを確保できていることも、離職率抑制に貢献しているでしょう。
仕事の様子や人柄を事前に把握できる
すでに採用人材の人格面を把握できていることもメリットです。
通常の採用方法の場合、面接や書類だけで人柄などを把握することは非常に難しいものです。アルバイトとして働いている人材であれば、仕事での様子や人柄も把握できているため、より信頼性の高い状態で採用できるでしょう。
また、仕事上の人間関係や職場風土への適正などについても、事前に把握することが可能です。
採用コストの削減
通常の採用活動で必要な採用コストや労力を大幅に削減できる点も大きなメリットです。
一般的な採用活動では、応募者集めや書類選考、面接、採用後の教育など、さまざまなコストや労力がかかります。また、能力的なミスマッチや、職場や周囲の人との関係がうまくいかないなど、離職リスクも少なからずあります。
アルバイトの正社員登用であれば、すでに人格面や能力面の適正が見極められているため、相応の活躍が期待できますし、採用コストも抑えられるため、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
アルバイトを正社員登用するデメリット
アルバイトの正社員登用は、さまざまなメリットがある反面、当然デメリットもあります。実際に登用する際には、以下に解説するデメリットも念頭においておきましょう。
人件費の増加
アルバイトの正社員登用の大きなデメリットとして、人件費の増加があげられます。
正社員登用すると、給与以外にも会社として以下のような費用を負担する必要がでてきます。
●厚生年金保険料
●健康保険料
●雇用保険料
●労災保険料
その他にも、健康診断などの福利厚生や退職金など、企業の制度によりますが正社員のために負担する費用は小さくありません。
他のスタッフとの人間関係の悪化
他のスタッフとの人間関係が悪化するリスクもデメリットと言えるでしょう。
統計から見ても、アルバイトから正社員登用されるのはそれほど簡単ではありません。それだけに、登用された側が「自分は認められている」という感覚を持ちやすく、増長を招くケースも少なくありません。周囲のスタッフに対する対応が変化することで、人間関係が悪化するリスクはあるでしょう。
また、他のアルバイトスタッフに「なぜ自分ではないのか」という感情が生まれる場合もあり、全体のモチベーション低下に影響する可能性もあるでしょう。
正社員登用の実施方法
どのような形で正社員登用を実施しているかは、企業によって異なります。
業種・業態によっても見極めるべき部分は異なりますし、アルバイトの正社員登用の考え方により厳しい審査を実施していることも少なくありません。
ここでは、多くの企業で行われている正社員登用の実施方法についてご紹介します。
上司の推薦・面談
上司の推薦や面談による登用が最もポピュラーな採用方法でしょう。
実際に現場で対象人材の能力や人間関係を見ているのが上司です。その上司が、今後の活躍が期待できると判断しているのであれば、多くの場合採用後の活躍も十分に期待できるでしょう。
ただし上司の評価は、現段階の業務に対する能力評価が大きな比重を占めている可能性があることには留意しましょう。
企業の正社員登用は、長期雇用を前提として、今後のキャリアアップなども含めて判断する必要があります。企業全体の人材配置や今後の将来性も踏まえて推薦されているのかを判断する仕組みづくりなどは必要でしょう。
人事部や役員との面接
通常の採用活動と同様に、人事部や役員などによる面接を実施している企業もあります。
上司だけの目線ではなく、人事部や役員などによる公平な目線で人材の基礎的能力や将来性を見極める点で有効な方法です。
ただし、現場での能力評価や人間関係などについては評価しづらい面もあるため、上司の面談などと合わせて実施するのが有効でしょう。
筆記試験の実施
人材の基礎的な能力を確認するため、筆記試験を実施する場合もあります。
アルバイトとして働いていることから、業務に対する適正は十分に評価されています。しかし正社員として採用する以上、今後のさらなるキャリアアップが見込めるかを評価する必要があります。
筆記試験は、一般教養や基礎的知識を問うものが多く、社会人としての基本的な能力を判断する有効な手段です。
外部業者が提供している筆記試験などもあるため、活用してみるのもいいでしょう。
アルバイトを正社員登用する際の注意点
アルバイトの正社員登用はメリットが多く、採用手法として有効ですが、制度の運用によっては思わぬトラブルに発展することも少なくありません。
以下に、アルバイトを正社員登用する際の注意点について紹介します。
採用基準の明確化
アルバイトの正社員登用制度を採用する際には、正社員登用の採用基準を明確化し、対象者に理解してもらうことが重要です。
具体的な採用基準の例としては、以下のようなものが考えられます。
●正社員登用の目的
●正社員登用試験の受験資格・受験日
●正社員登用された際のメリット・デメリット(給与などの待遇面)
過去には、正社員登用制度に関する認識の違いから、訴訟に発展したケースもあります。
このようなことにならないよう、採用基準を明確化しておく必要があるでしょう。
正社員登用制度の公正な運用
アルバイトの正社員登用においては、「上司が仕事ぶりを評価した」など主観的な判断によって登用されるケースが多くあります。
しかし、これら主観的な判断による登用は、登用される側とされない側との間で不公正感につながることも少なくありません。上司も人間ですから、情が必要以上に入った判断となってしまう可能性もあります。
このようなことがないよう、具体的な採用基準を明確化したら、決められた基準に基づいて公正な運用ができる仕組みの構築も合わせて必要でしょう。
アルバイトの正社員登用で優秀な人材を確保しよう
アルバイトの正社員登用は、企業にとって優秀な人材を確保する有効な手段です。通常の正社員採用に比べ、コスト面やリスクを低減できる点でも効果的と言えるでしょう。
一方で、運用方法を誤れば本来即戦力としての活躍を見込んでいた人材が不満を持ったり、周囲のスタッフから不満が出たりなど、思うような成果が出ないリスクも潜んでいます。
正社員登用の成否は、制度の明確化・公正な運用・双方のコミュニケーションが成功の鍵となります。
優秀な人材を効果的に確保するためにも、アルバイトの正社員登用についてまずは検討を開始してみてはいかがでしょうか。
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