内定は一定数出るものの、辞退されるケースが多くて悩んでいる中小企業もあるでしょう。そこで、主に新卒学生を対象とした内定辞退対策についてご紹介します。
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学生が内定辞退する理由とは
学生が内定辞退をするということは、就職を思いとどまらせる何らかの理由があることを意味しています。代表的な原因について4つご紹介します。あてはまるものがないか確認してみましょう。
企業に対する不信感
学生は自分が働くことになる企業に対して大きな希望を持っていますし、同時に不安も抱えています。そのような状況で何らかの不信感が募ってしまうと内定辞退につながりやすくなるのです。
例えば、求人票に書かれていた内容と実際に提示された条件が異なるケースがあります。また、内定後にインターネットで企業の口コミ情報を調べたところ悪い情報を見つけてしまったようなケースも不信感につながるでしょう。ほかにも、わからないことや不安なことがあって質問をしたのに、明確な答えをくれなかったなども企業に不審感を募らせてしまう原因になります。
採用担当者や面接官の印象が悪い
採用担当者や面接官の印象が悪く、この企業で働くことに不安がある、この人たちと一緒に働きたくないと感じられてしまった場合は、内定辞退につながりやすいです。
採用担当者や面接官は、その企業の顔ともいえる存在です。面接のときに「この面接官は威圧的だな」などと感じ取られてしまうと、その企業自体が威圧的な企業のように思えてしまいます。
内定から就職までの期間が長く考え込んでしまう
早々に内定をもらうと、実際に就職するまでの間にいろいろなことを考え込んでしまうケースがあります。本当に自分はこの会社に合っているのだろうか、もっと自分の力を発揮できる会社があるのではないだろうか、と感じる学生もいるでしょう。
その結果、他社の選考を受け、そちらに乗り換えられてしまうようなケースもあります。
自分が働いているイメージがわかない
自分がどのような形で働くことになるのか全くイメージがわかないと、学生は大きな不安を抱えることになります。特に企業の発信情報が少なく、実際に働き始めてからでなければわからないことが多い場合は注意が必要です。
中小企業が今すぐ使える内定辞退対策をご紹介
大企業の場合は大々的にコストをかけて内定辞退の対策をとることもできますが、中小企業の場合、なかなかそうはいきません。そこで、中小企業でも取れるような効果的な内定辞退対策について解説しましょう。
採用担当者が「企業の顔」であることを意識する
特に重視したいのが、採用担当者に自分が企業の顔であるという自覚を持ってもらうことです。清潔感のある服装で接するのはもちろんのこと、威圧的な態度は取らないように注意しなければなりません。
採用担当者や面接官は「自分が学生を見極めている」という責任感があるため厳しい対応をしてしまうことがありますが、見極めているのは学生も同じです。自分が安心して働ける会社なのかを面接で見極めようとしているので、学生に対する対応が適切か再度確認しましょう。
選考中にも志望度が高まる施策を行う
学生は選考を突破するごとに期待が膨らんでいきますが、同時に不安も大きくなっています。不安よりも期待を大きく持ってもらうため、ステップを踏んで志望度が高まるような施策に取り組んでいきましょう。
実際に自分が働くとどのようになるのかなど、具体的なイメージを持ってもらうための対策を取るのもおすすめです。選考が進んでいくにつれて会社の一員として期待されている、理想的な働き方ができるといったように気持ちを盛り上げていける対策に取り組みましょう。
印象に残る内定提示をする
内定の連絡をする際に、ただ単に電話で伝えたり、書類を送付したりするだけではなかなか印象に残りません。どのような言葉をかけるのかも重要なので、ただの業務連絡にならないように注意しましょう。
一緒に働きたいという気持ちを伝えると、学生もうれしく感じてくれるでしょう。また、採用面接でどのようなポイントを高く評価して内定を決めたのかなども伝えると、自信を持ってもらうことにもつながるはずです。
他にも、社長に直接連絡をしてもらったり、連絡とともに花を贈ったりするなど、工夫次第で様々な取り組みができます。
定期的に接触の機会を持つ
内定から入社までの期間にどれくらい内定者と接触しているかは企業によって異なります。一度か二度しか会わない企業もあるでしょう。この頻度が少ないと感じられてしまうと学生にとって不安につながりやすくなってしまいます。
そこで、できる限り定期的に接触の機会を持つようにしましょう。ただ、学生によっては何度も呼び出されると負担になってしまうようなケースもあるので、工夫が必要です。
例えば、社内でイベントや飲み会などを企画し、そこに「予定が合うようなら来ませんか?」といった形で誘ってみてはいかがでしょうか。実際に就職する前に会社の方と話をする機会もできるので、不安を取り除くことにもつながります。
質問や疑問にはすぐ答える
内定者から質問があった場合、できる限り早く答えることが重要です。質問をしてきたということは、不安や疑問を抱えている証だともいえます。忙しいからと受け答えを放置してしまうと、会社に対して不信感を抱かれてしまう可能性が高いです。
いつでも相談できるような連絡先を用意しておくと良いでしょう。
一昔前だと直接担当者にメールや電話で相談していましたが、近年は内定者専用サイトやSNSを用いて内定者フォローを行うのが主流です。メールや電話よりもやりとりしやすいと感じる学生が多いので、内定者専用サイトやSNSを活用してみてはいかがでしょうか。
内定者同士の交流の場を設ける
内定者はどのような人と一緒に働くことになるのかに対しても不安を抱えています。できれば、実際に働き始める段階である程度関係性が築かれているのが理想的だといえるでしょう。
そこで、SNSや内定者専用サイトなどを活用し、内定者同士が自由にコミュニケーションを取れるような形を整えてみてはいかがでしょうか。
抱えている疑問や不安の中には、直接採用担当者などに相談しにくい内容もあります。そういったものについても内定者同士でコミュニケーションをとることによって疑問や不安解消につながるはずです。
内定者に対する期待を示す
内定者が抱えている不安を打ち消すためには「あなたに期待している」という言葉や態度をしっかり伝えてあげることが重要です。内定者は不安な気持ちから「うまく仕事ができなかったらどうしよう」「何か迷惑をかけてしまうかもしれない」などマイナスなことばかり考えてしまうことがあります。
ですが、自分が期待されていることを知ると急に前向きな気持ちになれることもあるので、内定者に対して期待を示しましょう。
できれば会社のトップから一人ひとりに期待の言葉をかけてもらうと理想的です。内定者全員をまとめてトップから声をかけてもらうより、一人ひとり対応してもらったほうが本当に期待しているという気持ちが伝わりやすくなります。
中小企業でもできる内定辞退対策はたくさんある
中小企業の中には「自社から内定辞退が出てしまうのは仕方がないこと、大企業ではないから対策も取りづらい」と感じているところがあります。しかし、中小企業でもできる対策は多々あるので、無理なく取り組める方法について検討してみてはいかがでしょうか。
今回具体的な対策についてご紹介しましたが、どれも無料で、またはそれほどコストをかけることなく実践できるものばかりです。ぜひ役立ててみてください。