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地方での採用活動を成功させる6つのポイント

このページでは、地方採用を取り巻く環境と地方企業が採用活動で成功するための6つのポイントを紹介しています。優秀な人材を確保したい方は、参考にしてください。

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地方採用に関するデータ

地方採用を成功させるため、現状と今後の見通しについて理解を深めることが重要です。地方を取り巻く状況はどのようになっているのでしょうか。公的資料などをもとに解説します。

地方の労働人口推移

国土交通省が発表した資料によると、中小地方都市や中山間地域などの労働力人口は他の地域に先駆けて急速に減少すると予想されています。減少の速度は、人口減少を上回ると考えられています。具体的には、2000~2025年の間に、中枢・中核都市1時間圏内(地方圏)では10%程度、中枢・中核都市1時間県外(地方圏)では24%程度も労働力人口が減少すると考えられているのです。ちなみに、2000~2050年の減少割合は、中枢・中核都市1時間圏内(地方圏)33%程度、中枢・中核都市1時間県外(地方圏)41%程度となっています(ともに数値は2000年労働力固定型による)。地方の労働力人口は、今後大きく減少するかもしれません。

参考:国土交通省「地方における人口・労働力の変化」

https://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/keikaku/jiritsu/8/03-3.pdf

地方の有効求人倍率

労働力人口の増減と密接に関係しているのが有効求人倍率です。地方の有効求人倍率はどのように推移しているのでしょうか。国土交通省が発表している資料によると、平均有効求人倍率下位5道県は鹿児島・高知・北海道・青森・沖縄です。以上5道県の有効求人倍率は、2000~2009年頃まで0.2~0.6倍前後で推移しています。2009~2011年頃から上昇に転じ、2015~2016年頃以降は1.0倍を超える状況となりました。以降、多少の変動はありつつも右肩上がりで上昇を続けましたが、2020年に新型コロナウイルス感染症が流行したことで再び1.0倍を大きく下回る状況となっています。下位5道県であっても、新型コロナウイルス感染症流行前は、優秀な人材を確保することが難しかったということができます。

参考:国土交通省「地方における就労機会の確保について」

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001381856.pdf

地方の新卒採用充足度

では、地方企業は人材の充足度をどのようにとらえているのでしょうか。厚生労働省によると、2019年の有効求人倍率は1.60倍です。この水準は、バブル経済期並みといえます。このような状況を受け、地方企業の19.1%が「人材が不足している」、38.2%が「人材がやや不足している」と回答しています。つまり、57.3%が人材不足を実感していたのです。ちなみに、三大都市圏の企業は、19.5%が「人材が不足している」、44.7%が「人材がやや不足している」と回答しています。地方企業と三大都市圏企業で、人材の充足度に関する認識は大きく変わらないといえるでしょう。つまり、人材不足は地域を問わない企業の課題となっているのです。

参考:総務省「第1部 特集 データ手動経済と社会変革」

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc141200.html

地方で採用活動を成功させる6つのポイント

労働力人口の減少が続くと、地方で採用活動を成功させることは難しくなると予想されます。地方で採用活動を成功させるため、どのような取り組みを行えばよいのでしょうか。

ターゲットを明確に設定する

最初に取り組みたいのが、自社が求める人物像、すなわちターゲットを明らかにすることです。ターゲットが不明瞭だと、求職者にどのようなアプローチをかければよいかがわかりません。例えば、採用したい人材に届かない媒体で、求人広告を掲載するなどが考えられます。効果的に採用活動を行うため、最初にターゲットを設定しましょう。

ターゲットは、経営戦略に基づく採用計画を立案して設定します。つまり、事業の目的を達成するためにどのような人材が必要かを考えて設定するのです。具体的には、プロフィール(年収・学歴・家族構成・趣味など)・職務経験(業界・役職・スキルなど)・パーソナリティ(性格・価値観など)などを設定します。ポイントは、できるだけ具体的に設定することです。成果を上げているスタッフを参考にすると、有効なターゲットを設定しやすくなります。

自社に入社するメリットを強く打ち出す

ターゲットを設定したら、自社に入社するメリットを訴求します。ポイントは、ターゲットが魅力を感じるメリットを打ち出すことです。ターゲットのニーズ、自社の強み・弱み、競合他社の強み・弱みなどをもとに検討するとよいでしょう。ターゲットのニーズを満たし、競合他社が提供できていない価値は強力な訴求ポイントになります。例えば、都市圏の企業だと簡単には就けないポジションに就けるなどは、地方企業の強みになりえます。あるいは、福利厚生で自宅へ帰宅する交通費を支給することで地方企業の弱みを解消してもよいでしょう。

Web上の情報発信を強化する

地方で採用活動を成功させるため重要になるのが、Uターン、Iターンで積極的に人材を集めることです。したがって、都市圏在住の求職者に情報発信する手段を構築しなければなりません。有効な手段のひとつといえるのが、Web上の情報発信力を強化することです。具体的には、採用活動にテーマを絞ったWebサイトの開設、求人サイトの活用、オンライン会社説明会の開催、スカウトメールによる積極的なアプローチなどが考えられます。独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している資料によると、Uターンを希望している地方出身者の割合は45.1%(戻りたい14.5%・やや戻りたい30.6%)です。Webサイトなどを使って、地方にも魅力的な勤務先・仕事があることを発信することにより、優秀な人材を確保できる可能性があります。

参考「独立行政法人労働政策研究・研修機構:地域雇用の現状と課題 ―若者の定着・UIJターン促進のために―」

https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20160511/resume/02_kenkyu_takami.pdf

面接参加のハードルを下げる

求職者が、ストレスなく選考に参加できる環境を整えておくことも重要です。面接を受けるため宿泊しなければならない、移動に高額な交通費がかかるなど、参加のハードルが高いと求職者を効率よく集められません。参加のハードルを下げるため導入を検討したいのが、オンライン面接です。Web会議アプリなどを活用すれば、コストをかけずにオンライン面接を実現できます。応募者を絞り込む段階の一次面接、二次面接などでは、有効に機能するはずです。オンライン面接の導入が難しい場合は出張面接も検討できますが、採用側の負担は大きくなります。あるいは、求職者に交通費を支給して経済的な負担を軽減してもよいでしょう。初回面接から支給すると、志望度を問わず求職者を集めやすくなります。

地方で働く意義を伝える

地方で働く意義やメリットを伝えることも、採用活動を成功させるポイントです。代表的なメリットとして挙げられるのが、都市圏に比べると人材が少ないため年齢を問わず重要な役割を任せてもらえるケースが多いことです。考え方によっては、都市圏の企業で働くよりもやりがいがあります。通勤環境や住環境が、都市圏よりも優れている点も見逃せません。地方で働く意義やメリットは、Uターン、Iターンした先輩社員のインタビューをWebサイトなどに掲載すると伝わりやすくなります。

内定後のアフターフォローを徹底する

以上のほかでは、内定後のアフターフォローも欠かせません。内定者が地方での就職に悩んでいる場合、アフターフォローを怠ると内定辞退につながる恐れがあります。こまめに連絡をして不安や悩みを聞く、交通費を支給して内定者懇親会に参加してもらうなどのアフターフォローが必要です。内定後が本当のスタートと考えて、良い関係を築くようにしましょう。

地方企業も採用活動で成功することはできる

地方企業の採用活動を取り巻く環境は厳しくなっています。他のエリアに先駆けて労働力人口が減少すると予想されているからです。しかし、地方企業であっても採用活動で成功することはできます。具体的には、ターゲットに向けて情報発信を続けることやUターン、Iターン希望の求職者が選考を受けやすい環境を整えることなどで優秀な人材を確保できます。人材確保にお困りの方は、採用活動を見直してみてはいかがでしょうか。