キャリア支援は企業にとって必要な取り組みと考えられています。法律で支援を求められているうえ企業もさまざまなメリットを得られるからです。この記事では、キャリア支援の重要性と企業の取り組み事例を紹介します。
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企業が行うキャリア支援とは
大企業を中心に、従業員に対するキャリア支援を行う企業が増えています。キャリア支援とは、キャリア形成を支援することといえるでしょう。ここで問題になるのが、キャリアならびにキャリア形成の意味です。
厚生労働省が発表している資料によると、キャリアは経歴・経験・関連した職務の連鎖など、キャリア形成はキャリアを通じて職業能力を形成していくことと捉えられています。つまり、キャリア支援は企業が従業員に職務経験などを積ませることで職業能力の形成を支援することといえるでしょう。
企業が行うキャリア支援の具体的な取り組みとして、キャリアコンサルティング・キャリアプランの策定支援・能力開発支援・教育訓練休暇の付与・社内公募制などが挙げられます。
【参考】厚生労働省「「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書について」
キャリアとは出世を指すだけではない
キャリア支援は、従業員の出世のためだけに行うものではありません。本来のキャリア支援は、従業員に人生の目的や方向性を考えるきっかけを与えるものだからです。人生の目的を見つけた結果、仕事との向き合い方がわかるなどが理想の形です。その人らしい働き方を見つけられるように支援することもキャリア支援に含まれます。
企業がキャリア支援を行う重要性
企業によるキャリア支援の必要性は年々高まっています。なぜ重要になっているのでしょうか。
従業員満足度と豊かさの向上
キャリア支援を行っている企業は、従業員の満足度が高まる傾向があります。多くの正社員が、自分のキャリア形成は自分で行いたいと考えているからです。厚生労働省が行った調査で、正社員の66.8%が「自分で職業生活設計を考えていきたい」または「どちらかといえば、自分で職業生活設計を考えていきたい」と回答しています。したがって、キャリア支援を行うと従業員の満足度は高まるのです。
【参考】厚生労働省「令和2年度 能力開発基本調査:結果の概要」
組織の活性化と企業成長につながる
キャリア支援を行うと従業員の満足度が高まるため、前向きに働く従業員が増えます。したがって、組織の活性化ならびに生産性の向上につながる傾向があります。もちろん、従業員の意識変革、スキルアップも組織の活性化、生産性の向上を後押しします。従業員のキャリア支援は、企業の成長につながる取り組みです。
優秀な人材の確保や定着につながる
キャリア支援に取り組む企業は、従業員や求職者から魅力的に見えます。約3分の2の正社員が、自分のキャリア形成は自分で行いたいと考えているからです。したがって、キャリア支援に積極的に取り組むと優秀な人材を確保しやすくなります。また、確保した人材の定着率も高まります。キャリア支援は、採用活動にも大きな影響を与えるのです。
法的根拠もある
キャリア支援と深く関わっているのが、2016年4月に改正された職業能力開発促進法です。職業能力開発促進法では、次の点が定められています。
【職業能力開発促進法の重要ポイント】
- 労働者が自ら職業生活設計を行い、これに即して自発的に職業能力の開発を行うこと
- 事業主は労働者の職業能力開発を支援すること
労働者に対する職業能力開発支援は事業主の努力義務とされています。キャリア支援は、すべての企業が実施するべき取り組みといえます。
企業によるキャリア支援の取り組み事例6選
参考に、キャリア支援の取り組み事例を紹介します。
1.株式会社JTB
株式会社JTBは、従業員が自立創造型社員として成長することにより会社が発展するとの考えに基づきキャリア支援を行っています。具体的には、従業員による主体的なキャリア開発を目指すカルチャー改革、ウェビナーなどで学びを支援する「あなたの学び応援団・JTBユニバーシティ」、キャリアを考える会話の創出(成果プロセス評価シート、未来への行動チェックシートなどの活用)などに取り組んでいます。これらの取り組みが、従業員のキャリア意識を向上させています。
2.万協製薬株式会社
万協製薬株式会社は、キャリア支援による個人能力の向上と組織成長を目指しています。具体的には、仕事に必要な能力を細かくモジュール化して評価に活用するとともにジョブローテーションを採用して各業務の習熟度を高めています。各従業員がキャリアアッププランを作成して上司がフォローしている点やキャリアコンサルタントによるキャリア面談を実施している点も見逃せません。これらの取り組みの結果、従業員に優しい会社という評判が広がり高度人材の採用につながっています。
3.株式会社日立製作所
株式会社日立製作所は、毎日の仕事をキャリア開発の出発点と捉えて、PDCAサイクルを回して成長していくことを基本としています。具体的には、半年から1年を1サイクルとして上司のフィードバックを受けながら事業目標・個人目標を管理するGMP、各従業員のライフステージや課題に対応したプログラムを用意しているCDPなどの支援を行っています。特徴は、支援はするものの自己決定・自己責任を原則とすることです。
4.株式会社三井住友銀行
株式会社三井住友銀行は、さまざまなキャリア支援制度を設けることで現場主導の自律的なキャリア形成を実現しています。具体的には、自律的成長を促す環境の整備・自律的成長をサポートするマネジメントスキルの強化、本部主導のOff-JTから職場主導のO-JTへの切り替えなどを行っています。ポイントは、PDCAのCHECKを意識して、施策の評価・改善を継続的に行っていることです。
5.NTTアドバンステクノロジー株式会社
NTTアドバンステクノロジー株式会社は、従業員の自律的なキャリア形成を支援しています。具体的には、社内キャリアコンサルタントによるコンサルティング、従業員が希望するキャリアに挑戦するジョブローテーションならびに事業部間の異動などを実施しています。以上の取り組みの結果、従業員の意欲向上、キャリアオーナーシップ(納得できるキャリアを築くため自ら行動すること)の醸成につながっています。
6.ソフトバンクグループ株式会社
ソフトバンクグループ株式会社は、それぞれの従業員が自分らしさを発揮できる個性豊かな人材の育成を目指しています。この目標を達成するため、従業員が自分で設定したキャリア目標にあわせてキャリアを開発できる仕組みを構築しています。具体的な取り組みとして挙げられるのが、新規事業のメンバーを公募するジョブポスティング、働きたい部門などに異動できるフリーエージェント、従業員がチャレンジしたい業務を申告できる自己申告制度などです。従業員が知識やアイデアを共有できる学びのプラットフォーム「知恵マルシェ」を導入している点も見逃せません。
企業がキャリア支援を行う際の注意点
キャリア支援は、従業員だけでなく企業にとってもメリットのある取り組みです。しかし、注意点がないわけではありません。キャリア支援を行うときは次の点に注意が必要です。
従業員主体で適切な支援を
従業員にキャリア開発を押し付けないようにしましょう。強制すると前向きに取り組めなくなってしまいます。前述の通り、正社員の3分の2はキャリアについて自分で決めたいと考えています。企業は、従業員が考えているキャリアの方向性と仕事の方向性を合わせてモチベーションを高めることなどが重要です。
キャリアについて相談できる場も大切
自分のキャリアについて考えた経験がない従業員は、当事者意識をもって主体的に考えることや、行動することが苦手です。したがって、キャリアについて相談できる専門家や窓口を設置しておくことも重要になります。
従業員との信頼関係構築は忘れずに
従業員と信頼関係を結べていないと、キャリア支援を行っても効果を発揮しません。従業員が前向きに取り組めないからです。まずは、従業員が安心してキャリア支援を受けられるように、信頼関係の構築に努めましょう。
キャリア支援は企業に欠かせない取り組み
従業員のキャリア形成を支援することをキャリア支援といいます。職業能力開発促進法で努力義務を課されているため、キャリア支援はすべての企業に必要な取り組みといえるでしょう。キャリア支援には、従業員の満足度や定着率を高める、優秀な人材を確保しやすくなるなどのメリットがあります。企業にとってもメリットの大きな取り組みなので、キャリア支援の導入を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
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