外国人採用は何から始めればよいのでしょうか?
在留資格の確認や面接時の注意点、採用後のフォローまで、中小企業が無理なく進めるためのポイントを段階ごとに紹介します。
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日本における外国人労働者採用の動向
近年の少子高齢化による労働力の減少に伴い、外国人労働者を採用する企業は年々増加しています。
厚生労働省が2025年1月に発表した「「外国人雇用状況」の届け出状況まとめ」によると、外国人労働者数は約230万人です。
外国人雇用が増加している背景には、政府による外国人材や留学生の受け入れ拡大、技能実習制度などの制度整備に加え、国内の人手不足といった要因があるとされています。
実際に、日本で働く外国人労働者の多くはアジア諸国出身であり、日本の雇用環境や就労機会に魅力を感じて来日しているケースが多いことも、日本の外国人労働者市場の特徴の一つといえるでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001389442.pdf
採用前に必ず確認すべきポイント
外国人採用で最も重要なのは、「採用活動を始める前」の確認です。この段階での認識不足は、後から修正がきかないケースも多く、結果的に採用のやり直しや法令違反につながることもあります。こうしたリスクを避けるためにも、採用活動を始める前に押さえておくべきポイントを確認していきましょう。
在留資格に関する確認
外国人を雇用する場合、在留資格を取得しているかを必ず確認しましょう。
在留資格とは、外国人が日本に滞在し活動するにあたって必要な法的資格です。活動の範囲も在留資格の中で細かく定められており、報酬を得て就労することが認められているかどうか、携わっても良い業務が何かなど細かく規定されています。
既に在留資格を持っているのであれば、雇用後に行う業務が在留資格で認められているかを確認しなければなりません。また、在留資格を取得していない場合は、雇用後に在留資格が取得できるかどうかを要件と合わせ確認しておくようにしましょう。
採用条件・法令面の確認
外国人を採用する場合であっても、労働条件については国籍によって不利な取り扱いをしないことが原則です。国籍を理由に賃金や待遇を下げたり、不利な条件を設定したりすることは認められていません。
また、労働時間や雇用形態、社会保険の取り扱いなどについても、国内の労働法令がそのまま適用されます。採用条件を整理する際は、「外国人向けに特別なルールを設ける」のではなく、「自社の雇用ルールをそのまま適用できるか」という視点で確認することが重要です。
個別に注意すべきポイント
候補者の状況によっては、追加で確認が必要なケースもあります。たとえば留学生の場合、アルバイトとして働ける時間には上限があります。また、技能実習の経験がある場合は、これまでに行ってきた職種や業務内容と、採用後に任せたい仕事内容が一致しているかを確認しておく必要があります。
面接時に見極めたいポイント
書類上の条件をクリアしていても、面接での確認を怠ると、入社後にミスマッチが起こりやすくなります。外国人採用では、特に「現場との相性」を意識した面接が重要です。そこで次に、面接の場で特に見極めておきたいポイントを確認していきましょう。
上司・配属予定者を同席させる
面接には、人事担当者だけでなく、実際に一緒に働く上司や配属予定の担当者を同席させることが望ましいでしょう。業務内容や職場の雰囲気を具体的に伝えることで、候補者が働くイメージを持ちやすくなります。
また、現場側にとっても、事前に本人と顔を合わせておくことで、受け入れ後のコミュニケーションがスムーズになります。
履歴書を口頭で確認
外国人採用では、言語や履歴書の書式の違いから、書類だけでは実際の経験や理解度を正確に把握しにくい場合があります。そのため、書面をそのまま鵜呑みにせず、口頭で内容を確認することが大切です。学歴や職歴だけでなく、「どのような業務を担当してきたのか」「日本でどのように働きたいと考えているのか」を会話の中で確認すると、理解度や意欲が見えやすくなります。
日本語能力を対話で確認
日本語能力については、資格の有無だけで判断するのではなく、実際の会話を通じて確認することが重要です。業務上必要なレベルは職種によって異なるため、「完璧な日本語」を求める必要はありません。ただし、指示の理解や報連相がどの程度できそうかは、入社後のトラブルを防ぐうえで重要な判断材料になります。
長期休暇・帰国頻度の確認
文化的背景の違いから、母国への帰省を重視するケースもあります。長期休暇の希望や帰国の頻度については、あらかじめ確認し、業務への影響を整理しておくことが必要です。この点を曖昧にしたまま採用すると、入社後に双方の認識のズレが生じやすくなります。
内定後にトラブルを防ぐための確認事項
内定後は「もう安心」と思われがちですが、実はトラブルが起こりやすいのもこの段階です。条件や手続きの認識をすり合わせることが重要になります。そこで、内定後に特に確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
給与・待遇条件を事前に明確化する
給与や勤務条件については、曖昧な表現を避け、具体的に伝えることが欠かせません。言語の違いがあるからこそ、「伝えたつもり」「理解しているはず」という思い込みは危険です。
書面や補足説明を活用し、条件面での誤解が生じないようにしましょう。
在留資格申請・変更の確認
新たに在留資格の申請や変更が必要な場合、その手続きの流れやスケジュールを事前に確認しておく必要があります。申請には一定の時間がかかるため、入社時期との調整が欠かせません。この確認を怠ると、「働けると思っていたが、まだ就労できない」といった事態が発生することもあります。
入社前後の生活準備スケジュールを共有する
住居の手配や役所手続きなど、入社前後には生活面での準備も必要になります。企業がすべてを支援する必要はありませんが、スケジュール感を共有しておくことで、本人の不安を軽減しやすくなります。
外国人労働者の主な採用フロー
次に外国人労働者を採用する際のフローについて、見ていきましょう。
STEP1:採用媒体を選ぶ
外国人労働者の採用媒体には、以下のようなものがあります。
- 求人広告(SNS含む)
- 大学や専門学校からの紹介
- 公的機関
- 人材紹介会社
中でも大学や専門学校からの紹介、人材紹介会社の利用は有力な方法でしょう。
大学や専門学校では留学生の就職支援を行っていることも少なくありません。在学中に言語や文化の理解も進んでいるため、スムーズな就業が期待できる点もメリットです。
また、人材紹介会社では近年の外国人労働者の増加を受け、外国人労働者に特化した就職セミナーや合同説明会を開催していることもあります。
STEP2:在留資格を確認する
次に、雇用対象者の在留資格を確認します。在留資格によって、報酬を得て就労できるかどうかや、従事できる業務内容の範囲が定められています。
想定している業務内容が在留資格で認められていない場合、そのまま雇用を進めると不法就労に該当するおそれがあります。業務内容が在留資格の範囲と異なる場合には、在留資格の変更など、必要な手続きを行う必要があります。
STEP3:面接を行う
在留資格の確認ができたら、面接を行います。面接では、スキルや経験だけでなく、実際に現場で問題なく働けそうかという視点が重要になります。業務内容の理解度や日本語でのコミュニケーションの様子を確認し、入社後の働くイメージをすり合わせることが、ミスマッチ防止につながります。
STEP4:雇用契約を締結する
雇用が決定したら、賃金や業務内容、労働条件などについて雇用契約を締結します。この際、契約内容について理解を深めてもらうために、雇用対象者と十分に話し合うことなどが重要です。
また、雇用対象者の言語で雇用契約書を作成しておけば、契約内容の理解促進につながり、トラブルのリスクを減らせるためおすすめです。
STEP5:行政手続きを行う
外国人の採用時は、雇用対策法に基づいて適切な届け出が必要です。基本的には日本国籍(特別永住者含む)ではなく、在留資格が「外交」「公用」以外の場合はすべて届け出が必要です。
届け出が必要な場合、労働者の氏名、在留資格、在留期間などを確認しハローワークへ届け出しましょう。届け出を怠ったり、虚偽の届け出を行ったりすると30万円以下の罰金の対象となるため、忘れずに行うようにしてください。
参考:mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html
外国人採用のメリット・デメリット
外国人採用には、人材不足を補える、多様な価値観を取り入れられるといったメリットがあります。一方で、教育やフォローに時間がかかる、文化の違いによるすれ違いが起こりやすいといった課題も存在します。
ここからは、外国人採用のメリットとデメリットについて、それぞれ確認していきます。
外国人採用の代表的なメリット
外国人採用の代表的なメリットの一つは、慢性的な人材不足を補いやすくなる点にあります。少子高齢化の影響で国内の労働人口が減少するなか、日本人採用だけでは人手を確保しにくい職種や地域でも、採用の選択肢を広げることができます。
また、日本で働くためには在留資格の取得が必要であり、その過程で一定の専門性や日本語能力が求められることから、意欲や向上心の高い人材と出会える可能性もあります。異なる文化や価値観を持つ人材が加わることで、社内に新しい視点が生まれ、業務改善や組織の活性化につながるケースも少なくありません。
さらに、将来的に海外展開を検討している企業にとっては、現地の文化や言語に精通した人材が、事業を進めるうえでの心強い戦力になることもあります。
事前に理解しておくべきデメリット・課題
一方で、外国人採用には事前に理解しておくべき課題もあります。まず、採用から定着までに一定の手間と時間がかかる点は避けられません。在留資格の確認や手続き、入社後のフォローなど、日本人採用に比べて確認事項が多くなりがちです。
また、言語や文化の違いによるすれ違いが起こる可能性もあります。業務指示の伝え方や職場での暗黙のルールなど、日本人同士であれば問題にならない点が、トラブルの原因になることもあります。実務の現場では、こうした課題の多くが、受け入れ側の準備や説明が十分でなかったことに起因しているケースも見られます。
そのため、外国人採用を成功させるためには、「採用すれば何とかなる」と考えるのではなく、事前に課題を把握し、対応策を用意しておくことが欠かせません。
採用後のフォローアップと定着支援
外国人採用では、入社してからのフォロー体制が定着に大きく影響します。採用時の条件や手続きが整っていても、入社後のサポートが不十分だと、早期離職につながるケースは少なくありません。ここでは、採用後に意識しておきたいフォローアップと定着支援のポイントを整理します。
オリエンテーション
入社直後のオリエンテーションは、外国人社員が職場に適応するための重要な機会です。業務内容や社内ルールを説明するだけでなく、勤務時間の考え方や報連相の進め方など、日本の職場で当たり前とされがちな点も丁寧に共有する必要があります。
最初に基本的なルールや期待される役割を明確にしておくことで、本人の不安を軽減し、その後の業務理解をスムーズに進めやすくなります。
職場環境・相談体制
外国人社員が安心して働くためには、困ったときに相談できる環境が欠かせません。業務上の疑問だけでなく、職場での人間関係や生活面の不安を抱えることもあります。
誰に相談すればよいのかを明確にし、相談しやすい体制を整えておくことで、問題が大きくなる前に対処しやすくなります。これは外国人社員に限らず、職場全体の働きやすさ向上にもつながります。
双方向コミュニケーション
一方的に指示を出すだけでは、外国人社員との信頼関係は築きにくいものです。業務の進捗や困りごとを定期的に確認し、意見や要望を聞く姿勢を持つことが重要です。
双方向のコミュニケーションを意識することで、誤解やすれ違いを早期に解消でき、職場への定着を後押しすることができます。
外国人雇用のポイントを押さえて優秀な人材確保を
日本国内の少子高齢化による労働人口の減少傾向は今後も継続することが予想され、企業にとって人材の確保は最重要課題の1つです。
優秀な外国人労働者の雇用は、人材確保のための有効な手段となるでしょう。外国人労働者の雇用は、言語や文化、考え方の違いなど、日本人労働者と比べると注意するべき点も多いですが、反面、新たな考え方やバイタリティーなど雇用によるメリットも期待できます。
人材不足の解決策を広げる一つの選択肢として、外国人雇用について理解を深めることから始めてみるのもよいでしょう。
なお、中小企業における人手不足の原因や具体的な対策については、「中小企業の人手不足はどう解決する?原因から対策までわかりやすく解説」も参考になります。
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