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外国人労働者の雇用についてメリット・注意点・採用フローを解説

国内労働人口が減少している現在、外国人労働者は貴重な戦力です。この記事では外国人労働者の雇用に関するメリットや注意点、採用フローについて詳しく解説します。

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日本における外国人労働者採用の動向

近年の少子高齢化による労働力の減少に伴い、外国人労働者を採用する企業は年々増加しています。

厚生労働省が2021年1月に発表した「「外国人雇用状況」の届け出状況まとめ」によると、外国人労働者数は約172万人です。

2007年の届け出義務化以降は増加の一途にあり、特に2015年以降、急激な増加を続けています。国籍別に見るとベトナム、中国、フィリピンの順に多く、約60%を占めています。

外国人雇用が増加している要因は、政府による外国人材や留学生の受け入れや技能実習制度の推進、雇用情勢の改善などにあると言われています。

日本の高い技術力や良質な雇用環境を求めたアジア諸国からの就労者が多いことが、日本の外国人労働者市場の大きな特徴と言えるでしょう。

【参考】厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和2年10月末現在)」

外国人労働者を採用するメリット

外国人労働者を採用するメリットは以下のようなものがあります。

  • 労働者を確保できる
  • エネルギーのある若者を採用できる
  • 新しい価値観の取り込みができる
  • 海外進出時に戦力になり得る

労働者を確保できる

前述した通り、少子高齢化により労働人口は減少傾向にあり、日本国内だけで労働力をまかなうことは徐々に難しくなってきています。

外国人労働者が雇用できれば、多くの企業が悩む労働者の確保問題を解決することができます。

エネルギーのある若者を採用できる

外国人が日本で就労するためには在留資格が必要であり、取得には業務に必要な技術の保持や一定程度の日本語習得が必須です。

言語の中でも習得が難しいと言われる日本語を習得し、一定の技術を保有していることから、優秀な人材である可能性は非常に高いと言えます。

また、自身の国を出て働くということはそれだけバイタリティーや向上心も強い場合が多く、既存の従業員にも良い影響を与えてくれるでしょう。

新しい価値観の取り込みができる

言葉や環境、文化が異なる外国人労働者は、日本人とはまったく異なる価値観を持っています。

外国人労働者を雇用することで、日本人では思いもよらないような発想を取り入れることができます。

新たな発想や意見の取り込みにより、社内が活性化し新たなイノベーションの創出や改善点の見える化につながる可能性にも期待できるでしょう。

海外進出時に戦力になり得る

海外への進出を検討している企業であれば、海外進出時の戦力としても期待できます。

海外進出で重要なポイントとして、現地の習慣や文化の理解があります。進出予定国の外国人労働者を雇用することで、現地の文化や考え方に触れることは大きなメリットになります。

また、ビジネス特有の専門用語を理解する語学力があれば、海外進出時の大きな助けとなってくれるはずです。

外国人労働者を採用する際の注意点

外国人労働者の採用は、言語・文化・習慣などが大きく異なる分、特有の注意点がいくつかあります。

在留資格に気を付ける

外国人を雇用する場合、在留資格を取得しているかを必ず確認しましょう。

在留資格とは、外国人が日本に滞在し活動するにあたって必要な法的資格です。

活動の範囲も在留資格の中で細かく定められており、報酬を得て就労することが認められているかどうか、携わっても良い業務が何かなど細かく規定されています。

既に在留資格を持っているのであれば、雇用後に行う業務が在留資格で認められているかを確認しなければなりません。

また、在留資格を取得していない場合は、雇用後に在留資格が取得できるかどうかを要件と合わせ確認しておくようにしましょう。

日本語のレベルを確認しておく

外国人労働者の採用においては、いわゆる言葉の壁が立ちはだかります。

業務をスムーズに遂行するうえで従業員同士のコミュニケーションは非常に重要なため、自社で必要な日本語能力があるかは確認しておくようにしましょう。

どうしてもコミュニケーションの不足によるミスはつきもののため、外国人労働者との間ではなおのことです。

在留資格を取得した外国人労働者の場合、一定程度の日本語レベルにある人も少なくありません。

しかし、業務を行ううえで十分なレベルとは限らないため、自社にあったレベルであるかは確認しておくようにしてください。

文化・価値観の違いによる摩擦の発生に注意する

文化や価値観の違いにより、日本人労働者との間で摩擦が発生することもあります。文化や風習の違いは、ときには言語の壁以上のトラブルにつながる可能性もあるものです。

文化や風習が異なっていたために、職場に馴染めなかったり労働環境が合わず離職につながったりすることも少なくありません。外国人労働者に対して、異文化を理解し受け入れる環境を整備することが重要です。

外国人労働者の習慣や文化を正しく理解するとともに、社内への協力の周知、労働環境の整備を行っておくようにしましょう。

教育環境を整備しておく

外国人労働者に対しては、教育環境の整備も非常に重要です。外国人労働者は仕事に対する考え方や文化が異なることも多く、業務マニュアルでの教育だけでは不十分なケースもあります。

また、業務スキルだけでなく日本特有の仕事の仕方や文化の理解促進のため、教育担当との緊密なコミュニケーションや周囲の協力も欠かせません。

日本人労働者の教育に比べれば、担当者の負担はどうしても大きくなるため、周囲を巻き込んだきめ細やかなサポート体制を構築しておくようにしましょう。

社内からの理解を得ておく

外国人労働者を採用した場合、日本人労働者との文化や言語の違いにより、仕事に支障をきたし、場合によっては対立や孤立を招く可能性があります。

外国人労働者の労働環境の整備も重要ですが、それだけでなく外国人労働者・日本人労働者双方が歩み寄り理解できる環境整備を心がけましょう。

食事会やレクリエーションの開催など、業務以外の場で交流の機会を作るのも良いでしょう。

外国人労働者の主な採用フロー

次に外国人労働者を採用する際のフローについて、見ていきましょう。

STEP1:採用媒体を選ぶ

外国人労働者の採用媒体には、以下のようなものがあります。

  • 求人広告(SNS含む)
  • 大学や専門学校からの紹介
  • 公的機関
  • 人材紹介会社

中でも大学や専門学校からの紹介、人材紹介会社の利用は有力な方法でしょう。

大学や専門学校では留学生の就職支援を行っていることも少なくありません。在学中に言語や文化の理解も進んでいるため、スムーズな就業が期待できる点もメリットです。

また、人材紹介会社では近年の外国人労働者の増加を受け、外国人労働者に特化した就職セミナーや合同説明会を開催していることもあります。

STEP2:在留資格を確認する

雇用対象者の在留資格を確認するようにしましょう。

前述した通り、在留資格で就労許可と業務範囲の要件が整っていなければ、法律違反となってしまいます。業務範囲が異なる場合は変更の申請が必要となります。

STEP3:雇用契約を締結する

雇用が決定したら、賃金や業務内容、労働条件などについて雇用契約を締結します。

この際、契約内容について理解を深めてもらうために、雇用対象者と十分に話し合うことなどが重要です。

また、雇用対象者の言語で雇用契約書を作成しておけば、契約内容の理解促進につながり、トラブルのリスクを減らせるためおすすめです。

STEP4:行政手続きを行う

外国人の採用時は、雇用対策法に基づいて適切な届け出が必要です。

基本的には日本国籍(特別永住者含む)ではなく、在留資格が「外交」「公用」以外の場合はすべて届け出が必要です。

届け出が必要な場合、労働者の氏名、在留資格、在留期間などを確認しハローワークへ届け出しましょう。

届け出を怠ったり、虚偽の届け出を行ったりすると30万円以下の罰金の対象となるため、忘れずに行うようにしてください。

【参考】厚生労働省「「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です!」

外国人雇用のポイントを押さえて優秀な人材確保を

日本国内の少子高齢化による労働人口の減少傾向は今後も継続することが予想され、企業にとって人材の確保は最重要課題の1つです。

優秀な外国人労働者の雇用は、人材確保のための有効な手段となるでしょう。

外国人労働者の雇用は、言語や文化、考え方の違いなど、日本人労働者と比べると注意するべき点も多いですが、反面、新たな考え方やバイタリティーなど雇用によるメリットも期待できます。

人材不足に悩んでいるなら、紹介会社へ相談してみるなどまずは外国人雇用について、学ぶことからはじめてはいかがでしょうか。