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ポテンシャル採用とは?メリットや注意点を分かりやすく解説

ポテンシャル採用は、これまでとは異なる優秀な若手人材と出会える可能性がある採用方法です。概要と導入するメリット、成功のポイントなどを解説するので、人材確保にお悩みの方は参考にしてください。

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ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用は、求職者の現在の能力よりも潜在能力を重視して評価を行う採用方法です。具体的には、仕事で求められるスキルやナレッジよりも行動特性などを重視して求職者を評価する傾向があります。職務経験が少ない求職者の行動特性は、普段の生活で何かしらのイベントが起こったときにどのような行動をとったかでわかります。例えば、学生時代に学業やスポーツで実績を残した求職者は、目標に向かって着実に努力できる人物と評価できるでしょう。

ポテンシャル採用の目的は、幅広い求職者の中から会社の成長を支えてくれる優秀な人材を見つけることです。このことからわかる通り、導入の目的は新卒採用、中途採用と大きく変わりません。採用の門戸を広げている点が、ポテンシャル採用の特徴です。

ポテンシャル採用の対象者は企業により異なります。一般的には、第二新卒を中心に、20代の求職者が対象になります。ポテンシャル採用を導入している企業が多いのは、人材不足が顕著なIT業界です。いずれにせよ、導入している企業は、入社後に教育することを前提として人材を採用しています。

ポテンシャル採用の導入企業例

ポテンシャル採用を導入している企業の代表が、Yahoo!JAPANを運営しているヤフー株式会社です。ヤフー株式会社は、2016年10月に新卒一括採用を廃止してポテンシャル採用による通年採用を導入しました。対象者は、応募時に30歳以下の求職者です(入社時に18歳以上)。30歳以下であれば、新卒・既卒・第二新卒・就業者などの経歴は問いません

ヤフー株式会社がポテンシャル採用を導入した主な理由は以下の2点です。

【ポテンシャル採用を導入した理由】
●従来型の新卒採用・中途採用では、第二新卒・既卒の求職者が選考対象から外れてしまう
●海外留学生の増加などにより、就職活動の時期が多様化している

幅広い求職者の中からより優秀な人材を見つけるため、ポテンシャル採用を導入したといえるでしょう。

ポテンシャル採用のメリット

ポテンシャル採用には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

優秀な若手人材を確保できる

最も大きなメリットは、優秀な若手人材を採用しやすくなることです。従来の採用方法だと選考対象になりづらい第二新卒、既卒、20代前半就業者などの求職者も選考対象に加えられるため、優秀な人材を確保しやすくなります。

働き方に対する価値観の変化も、優秀な若手人材の採用を後押ししてくれます。同じ会社で働き続けるよりも、チャンスがあれば能力を発揮できる会社へ転職したいと考える若手人材が増えています。したがって、ポテンシャル採用で門戸を広げると、優秀な人材が集まりやすくなります。ポテンシャル採用を導入することで、これまで出会えなかった優秀な若手人材と出会えるかもしれません。

ビジネスマナーを習得済みの人材を採用できる

ポテンシャル採用の対象者は、職務経験のある求職者を含みます。すでにビジネスマナーを習得している若手人材を採用できる点も魅力です。新卒採用に比べると、教育コストを抑えられる可能性があります。

企業の若返りをはかれる

ポテンシャル採用で、優秀な若手人材を積極的に採用することにより企業の若返りをはかれます。何かしらの事情で新卒採用を中止した企業や若手社員が定着しない企業では、高齢化を解消する有効な採用方法になりえます。求職者の潜在能力に着目するため、幹部候補やリーダー候補を採用しやすい点も見逃せません。

多様な人材の活躍が期待できる

スキルや経験ではなく潜在能力を重視するポテンシャル採用では、さまざまな業界・職種で経験を積んだ人材を集められます。したがって、企業に新しい考え方や新しい価値観をもたらせる可能性があります。つまり、企業を変革できる可能性があるのです。人材の同質化や組織の硬直化に悩む企業は、ポテンシャル採用を導入するとよいかもしれません。

ポテンシャル採用の注意点

ポテンシャル採用には、注意点もあります。導入前に以下の点を押さえておきましょう。

人材育成が前提となる

潜在能力を重視するため、即戦力の若手人材を採用できるケースは多くありません。基本的には、入社後の教育が必要になります。期待した成果を上げるまで、時間とコストがかかる点に注意が必要です。特に、高度なスキルを要求される技術職は、教育に時間とコストがかかる傾向があります。また、採用した人材の経歴に合わせて、新卒とは異なる教育体制を整備しなければならないケースもあります。戦力化までのスケジュールを考えたうえで、ポテンシャル採用を導入することが重要です。

早期退職する可能性がある

ポテンシャル採用で採用した人材にも、早期退職の可能性があります。未経験者を採用した場合は、特に注意しなければなりません。フォロー体制が整っていないと、職場で孤立してしまうからです。採用前に、フォロー体制をしっかりと整えておく必要があります。また、選考時に何度も転職していないことを確かめておく必要もあります。採用コストが無駄にならないようにしましょう。

前職の経験が業務に影響する恐れがある

職務経験がある人材を採用すると、前職の経験が業務の邪魔になる場合があります。具体的には、前の職場とは異なるやり方に戸惑う、前の職場で身に着けた考え方に固執するなどが考えられます。勤続年数が長い人材ほど、前職の経験が業務の邪魔になる傾向があります。自社のやり方、考え方に馴染めるように、教育・研修体制を整えておきましょう。

ポテンシャル採用を成功させるためのポイント

残念ながら、すべての企業がポテンシャル採用の導入に成功しているわけではありません。優秀な若手人材を確保できていない企業もあるのです。成功に導きたい方は、以下の点を押さえておくとよいでしょう。

自社が求めるポテンシャルの基準を明確化させる

選考前に、自社が求める求職者の「潜在能力」を明らかにします。この点が曖昧だと選考基準も曖昧になってしまうため、優秀な人材を安定的に確保できません。選考前に、求める人物像や求める行動特性などを明らかにしましょう。これらが明確になると選考基準も明確になるため、優秀な人材を安定的に確保できるようになります。

研修体制を整える

ポテンシャル採用で採用する人材は、基本的にサポートを必要とします。社会人経験が少なく、仕事に必要なスキルも習得していないケースが多いからです。したがって、採用前に研修体制を整備しておく必要があります。教育担当者を配置して、マナー研修やスキル研修などを行うとよいでしょう。自社で研修体制を整備できない場合は、外部サービスを利用することもできます。

求職者のポテンシャルを見極める

求職者の潜在能力を見極めることも欠かせません。行動特性を見極めるポイントは、過去の事実をそのまま評価することです。職務経験がない求職者は学生時代などの行動、職務経験がある求職者は就業中の行動を確認して評価します。出来事と結果の間にある考え方に着目すると行動特性を評価しやすくなります。例えば、「ほかの選択肢がある中でなぜそうしたか」などの質問が有効です。また、現在設定している目標、目標に対するアプローチの方法などを確認することでも、潜在能力を見極められます。

ポテンシャル採用は新しい可能性を開く採用方法

求職者のスキルや経験ではなく潜在能力に着目するポテンシャル採用は、ヤフー株式会社が導入したことで話題になりました。ポテンシャル採用の魅力は、優秀な人材や多様な人材を確保しやすいことなどです。企業の新しい可能性を開く採用方法といえるでしょう。ただし、必ず良い結果をもたらすわけではありません。ポテンシャル採用の成功には、求める潜在能力の明確化、研修体制の整備などが必要です。いくつかの点に注意は必要ですが、魅力的な採用方法であることは事実です。優秀な若手人材を確保したい方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。