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企業の人材不足を解消する対策方法を11選紹介

人材不足は、多くの企業を悩ませている課題です。業務に支障が生じている企業もあるでしょう。この記事では、人材不足の現状と人材不足を解消する11の対策を紹介しています。課題解決の参考にしてみてはいかがでしょうか。

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企業が人材不足に悩む現状と原因

多くの企業が人材不足に悩んでいます。具体的に、どのような状況なのでしょうか。現状と原因を解説します。

企業規模や業種によって人材不足が深刻化

中小企業庁が発表している資料によると、2021年7-9月期の全産業における従業員数過不足DIは▲12.7です。従業員数過不足DIは「過剰」から「不足」を除して求めています。前回調査時の従業員数過不足DIは▲10.5だったため、全産業で人材不足感が強まっているといえるでしょう。

中でも、人材不足感が強いのが建設業です。建設業の従業員数過不足DIは▲33.4となっています。また、製造業・サービス業・卸売業も、前回調査時に比べてマイナス幅が広がっています。ただし、卸売業の従業員数過不足DIは▲5.9なので、他産業に比べると人材不足感は弱いといえるかもしれません。人材不足感が最も弱いのは、従業員数過不足DI▲5.5の小売業です。とはいえ、人材不足であることは変わりません。

【参考】中小企業庁「第165回中小企業景況調査(2021年7-9月期)」

人材不足の原因は少子高齢化だけではない

人材不足の主な原因は、少子高齢化による生産年齢人口の減少です。日本の生産年齢人口は、1995年の8,716万人をピークに減少を続けています。2015年時点における生産年齢人口は7,629万人です。今後も減少を続け、2060年には4,418万人になると予想されています。

ただし、現在の人材不足は、少子高齢化による生産年齢人口の減少だけで起きているわけではありません。産業構造の変化などが、雇用のミスマッチを生んでいると考えられています。雇用のミスマッチが生まれていることは、職業別有効求人倍率をみればわかります。2018年における職業別有効求人倍率の平均は以下の通りです。

【職業別有効求人倍率の平均】

  • 保安の職業:7.8倍
  • 建設・採掘の職業:4.7倍
  • 介護関係の職業:3.9倍
  • サービスの職業:3.5倍
  • 運搬・清掃・包装等の職業:0.8倍
  • 事務的職業:0.5倍

人員を集めやすい職業、人員を集めにくい職業がはっきりと分かれています。人員不足に悩む企業は、産業構造の問題にも目を向ける必要があるかもしれません。

【参考】総務省「平成29年版 情報通信白書」

【参考】中小企業庁「2019年版 中小企業白書」

企業の人材不足を解消する対策11選

続いて、人材不足を解消する11の対策を紹介します。

1.労働条件の改善

給与や労働時間、休日などの労働条件を改善することで、従業員の定着率を高めて人材不足を解消できる可能性があります。厚生労働省が発表している資料によると、前職をやめた理由として「給料等収入が少なかった」「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が挙げられています。「給料等収入が少なかった」を退職の理由としている男性は10.2%、女性は8.8%、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」を退職の理由としている男性は10.0%、女性は13.4%です。退職者の約20%が前職の労働条件に不満を感じて退職を決断しています。労働条件の改善は有効な対策になる可能性があります。

【参考】厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概況」

2.職場環境の改善

同様に、職場環境の改善でも、従業員の定着率を高められる可能性があります。厚生労働省が発表している資料によると、前職をやめた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった(男性7.7%・女性11.8%)」「能力・個性・資格を生かせなかった(男性4.8%・女性4.3%)」「仕事の内容に興味を持てなかった(男性4.6%・女性5.5%)」が挙げられているからです。従業員の配置や仕事の割り振りなどを見直し、各従業員が活き活きと働ける職場環境を構築することで、人材不足を解消できる可能性があります。

【参考】厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概況」

3.業務工程の見直し

業務工程の見直しも、人材不足の解消に役立つ可能性があります。生産性の向上につながるからです。従業員あたりの生産性が向上すれば、人材不足感は弱まります。また、生産性の向上により企業の収益力が高まれば、会社の将来に希望を持てるため従業員の定着率は高まります。経営者が力を発揮するべき対策といえるでしょう。

4.採用業務の見直し

攻めの採用業務に転換することで、人材不足を解消できる可能性があります。攻めの採用業務とは、企業自らが積極的に採用情報を発信することです。例えば、オウンドメディアやSNSを活用して、企業のブランド力を高めることなどが考えられます。企業のブランド力が高まれば、競合他社よりも優秀な人材を集めやすくなります。

5.既存社員の能力向上

研修制度などを充実させて、既存社員の能力を向上させることも有効といえるでしょう。既存社員が最新テクノロジーなどに対応できるようになれば、生産性が向上するため、人材不足を解消できる可能性があります。また、身につけた能力を発揮できる環境を整えることで、従業員の働く意欲も向上します。したがって、定着率も高まる可能性があります。

6.多様な人材の受け入れ

採用活動のターゲットにしてこなかった人材を受け入れることでも、人材不足を解消できる可能性があります。例えば、女性やシニア、外国人などが考えられます。採用した人材が働きやすい環境を整えておくことも重要です。具体的には、短時間勤務制度の導入や子育て・介護と仕事を両立できる環境の整備などが考えられます。もちろん、採用した人材が能力を発揮できる環境を整えておくことも欠かせません。

7.IT化の促進

IT化の促進も、人材不足の解消に有効といえるでしょう。一部の業務を自動化・効率化できるからです。例えば、RPAツールを活用すれば、PCで行う定型業務の多くを自動化できます。人間が行うべき作業量を減らせるため、人材不足の解消に役立ちます。また、従業員をコア業務に集中させられるため生産性も向上します。IT化の促進は、積極的に検討したい対策です。

8.副業の許可を出す

少し意外なところでは、副業の許可も人材不足の対策として挙げられます。副業で従業員が新たな視点や新たなスキルを身につけると、業務を改善できる可能性があるからです。ただし、機密情報の漏洩や従業員の疲労などのリスクがあります。しっかりと制度を設計したうえで、許可を出すべきといえます。

9.テレワークの導入と促進

テレワークの導入と促進も、検討したい人材不足の対策と考えられます。通勤が難しい人も働けるようになるからです。例えば、育児をしている人や介護をしている人、遠方に住んでいる人も、テレワークを導入すれば働けるようになります。採用できる人材の幅が広がるため、人材不足の解消につながります。また、多様な働き方を選択できるため、従業員の定着率も高まるかもしれません。

10.補助金や助成金を活用

人材確保のために職場環境の整備を図る場合、国から助成を受けられる可能性があります。関連する主な助成金は、人材確保等支援助成金と両立支援等助成金です。人材確保等支援助成金は労働環境の向上を図る事業主を助成する制度、両立支援等助成金は職業生活と家庭生活の両立を支援する職場環境づくりを行う事業主を助成する制度です。人材確保等支援助成金は9つのコース、両立支援等助成金は3つのコースにわかれています。

11.アウトソーシングの活用も視野に

繁忙期・閑散期がはっきりとしている企業や離職率が高い企業は、アウトソーシングの活用も検討したいところです。必要な時期に必要な労働力を確保できるため、人材不足に柔軟に対処できるようになります。

できることから人材不足の対策を

人材不足は多くの企業に共通する課題となりつつあります。生産年齢人口の減少とともに、深刻化していく可能性もあります。人材不足は、すべての企業が無視できない課題といえるでしょう。今後は、多くの企業が人材不足の対策に乗り出すと考えられます。対策の成否が、企業の競争力に影響を与える状況になるかもしれません。したがって、競合他社に先駆けて、何かしらの対策を講じることが重要です。紹介した11の対策を参考に、できることから人材不足対策を始めてみてはいかがでしょうか。