採用には様々な方法があります。その中でブラインド採用に注目している方のために、多くの企業で取り入れられ始めている理由やメリット、おさえておきたいデメリットなどを解説します。
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ブラインド採用とは
そもそもブラインド採用とは何かというと、個人に関する情報を取り除いたうえで能力のみで評価、採用する方法のことです。名前だけでなく、性別や年齢、学歴といった情報を除外したうえで判断します。
優秀な人材を積極的に採用したいと考えている企業にぴったりの方法です。選考する際の思い込みや決めつけといったものを取り除いて判断できます。
「自社にとって本当に必要としている人材を採用できていない」と感じているような場合にもブラインド採用が役立つはずです。
ブラインド採用を行う会社が増加した社会的背景
ブラインド採用を実践する企業が増えてきた理由として考えられるのが、厚生労働省が採用のためのチェックポイントとして発表している「公正な採用選考の基本」の影響です。
公正な採用選考の基本の中では「応募者の基本的人権を尊重すること」と「応募者の適性・能力に基づいて行うこと」を基本的な考え方とすべきとされています。
また、公正な採用選考のためには「応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しないこと」が重要とされており、それらを実現するための方法がブラインド採用です。
近年はダイバーシティの推進が求められています。ダイバーシティ推進を実現するためには、能力以外の部分にフィルターをかけて差別するような採用方法は避けなければなりません。無意識による差別を防ぐためにもブラインド採用が役立つため、注目されています。
ブラインド採用を取り入れるメリット
企業の採用活動にブラインド採用を取り入れることにより、どういったメリットが期待できるのでしょうか。代表的なメリットは次の3つです。
全ての応募者に対して公平な採用ができる
能力以外の情報を排除することにより、一人ひとりの応募者に対し、公平な採用ができるようになります。
いくら公平に採用しようと考えても、自分でも気づかないうちに「女性だから」とか「○歳だから」と実際の能力とは関係ない部分に注目してしまうことはなかなか避けられません。
ブラインド採用であればこれらの情報がない分、先入観などにとらわれることなく、公平に判断できるのがメリットです。
これは求職者から見ても同じメリットだといえます。自分の能力を公平に判断して欲しいと考えた際にブラインド採用を行っている企業を選択する方もいるのです。
学歴など関係なく優秀な人材を採用できる
能力を判断する際に、学歴を重視してしまう採用担当者もいます。実際の能力は出身大学だけで判断できるものではありません。ですが、名門大学卒業者とそうでない方のどちらかを採用しようと考えた時、名門大学卒業者に期待してしまう方が多いはずです。
しかし、実際に働き出した際に、思っていた通りの結果が得られるとは限りません。
ブラインド採用を取り入れることにより、これまでの採用活動では能力があるものの個人情報のフィルターで採用対象から外れてしまったような方も採用できます。
多様な人材を採用できる
ブラインド採用によってこれまでは採用してこなかったような方が会社に入った場合、会社にとって斬新なアイデアが生まれたり、事業の発展につながったりすることも期待できます。
同じような基準で同じような人ばかり採用しても、なかなか新しいアイデアは生まれません。ブラインド採用によって個人の能力だけに注目して採用活動をすると、多様な人材を採用することに繋がります。
これまでとは異なる形での製品開発に取り組みたい、新しい風を吹かせるような人を採用したいと考えた際にもプラインド採用がおすすめです。
ブラインド採用を取り入れるデメリット
ブラインド採用はとても魅力的な方法ではありますが、デメリットもあります。注意すべきデメリットを2つご紹介します。
ミスマッチが発生しやすい
ミスマッチが起こると早期退職につながってしまう恐れがあるので、できる限り避けておかなければなりません。ですが、ブラインド採用は通常の採用に比べて判断が難しいことから採用ミスマッチにつながることがあります。
例えば、多様性を重視したところ、自社の社風に合わないような人材を採用してしまったなどのトラブルが考えられるのです。いくら能力が高くても社風に合わない人材を採用すると本人も働きづらさを感じますし、企業としても対応に悩んでしまうでしょう。
また、これまで採用してきた社員とは異なる視点で採用することにより、既存社員とうまく馴染めず、業務に支障が出てしまうような恐れもあります。
採用期間が長期化しやすい
ブラインド採用は通常の採用活動に比べて判断材料が少ないことから、慎重に採用を決めなければなりません。そのため、どうしても採用活動に時間がかかり、採用期間が長期化しやすいのがデメリットです。
一人あたりにかける面接時間や選考時間を伸ばせば、その分、他の業務が滞ってしまう恐れもあります。これが結果として採用コストの増加につながってしまうようなデメリットも考えておく必要があるでしょう。
とくに採用人数が多い企業の場合、全員をブラインド採用で判断しようと考えると、かなりの時間がかかります。どの程度の時間がかかるのかを逆算し、一人あたりにかける時間や、細かいスケジュールについても検討が必要です。
ブラインド採用を成功させるポイント
ご紹介したようにブラインド採用にはメリットもあればデメリットもあります。できる限りブラインド採用を成功させるためには、以下の2点に注目してみましょう。
多様な人材を受け入れる社風をつくっておく
ブラインド採用によって多様な人材を受け入れるためには、先にそのための体制を整えておかなければなりません。体制が整っていない状況でこれまでと全く異なる社員を迎えた場合、既存社員も採用された新入社員も戸惑ってしまう可能性が高いです。
ブラインド採用で多様性を高めたいと考えているのであれば、一人ひとりの社員が自分の良いところを活かせるような企業風土が求められます。
従業員に対してただ一方的に多様な人材を受け入れるように求めるのではなく、企業としてもそれをサポートするための取り組みを行いましょう。従業員の理解を深めるため、ダイバーシティ研修を導入してみるのも一つの方法です。
採用基準は明確に設定しておく
ブラインド採用は通常の採用活動とは異なる視点が必要になるため、面接担当者によって個人の評価が分かれることがあります。この問題を解決するためには、事前に採用基準を明確にし、共有しておくことが重要です。
採用基準を明確にしておかないと、高く評価するポイントが面接担当者によって変わってしまうこともあるので、注意しましょう。
ブラインド採用のメリットとして公平な採用ができることを挙げましたが、これは採用基準を統一したうえで評価した場合の話ともいえます。どのような基準を設定するのかについては、よく話し合いをしたうえで決めることが重要です。
多様性の時代に適した採用方法
ブラインド採用は、企業にとって新しい風を呼ぶきっかけになるだけでなく、多様性の時代に適している採用方法です。ただ、取り入れるうえでメリットだけではなく、デメリットについてもおさえておかなければなりません。
うまく活用できれば企業のさらなる発展に貢献してくれそうな人材を採用することにもつながるため、ブラインド採用の導入について検討してみてはいかがでしょうか。
今後はブラインド採用に取り組む企業が増えてくることも予想されるため、早期にブラインド採用に取り組んでいる他社に差をつけられないためにも、早い段階で注目してみることをおすすめします。